京都 清宗根付館は、現代根付を中心に根付を専門に紹介する美術館として企画展を開催しています。
2026年7月から9月にかけては、企画展「根付はタイムトラベラー」展を開催します。現代根付は空想の世界や物語を自在に表現することができ、時間も場所も自由に行き来できるタイムトラベラーといえます。時間を行き来するという概念は日本では古くからあり、日本最古の物語『竹取物語』や『浦島太郎』などもタイムトラベルがテーマといえます。現在のアニメやマンガなどでは異世界転生として全く別の人格として生まれ変わったり、時には人間でない別の存在となったりする場合もあり、パラレルワールドやタイムリープなどタイムトラベルの概念は広がっています。さあ、一緒に根付をめぐる時間旅行に出かけましょう。

『根付はタイムトラベラー』展
8月「異空間への憧れ」展にて展示されている根付の一部をご紹介します。
タイムトラベルは時間を移動するだけでなく、異空間や異次元の世界を旅することでもあります。過去の分岐点から現実世界と異なる歩みをした並行世界、すなわちパラレルワールドは私たちが認識している現実世界と表と裏の関係として接しているとされます。タイムトラベルでもし異世界をのぞいてみることができたらどんな迷宮が待ち受けていることでしょう。そこでは太陽が西から登り東に沈み、昼間は月が出ているかもしれません。この8月は「異空間への憧れ」展として、そんな迷宮の境界に棲む住人たちを特集します。私たちの想像を超えた生物たちや闇に潜む鬼や妖怪たち、伝説に登場する怪物たちの根付が登場します。
「祝い河童」作者:池田 朝重(1972〜)
大きさ:高5.0cm
素材:鹿角
解説:馬に悪さした河童を懲らしめようとした馬方が、泣いて謝る河童を許した。その晩に河童がいくら飲んでも酒が湧き上がる河童徳利を授けたという民話から。

「祝い河童」

「俳加羅」
「俳加羅」作者:平賀 胤壽(1947〜)
大きさ:6.9cm
素材:黄楊
解説:ハイカラは英語high collarに由来して、明治期に西洋風の生活様式を模した人々を指した。鬼も着飾って西部劇の世界にタイムスリップしている。
「人魚」作者:佐田 澄(1944〜)
大きさ:高4.4cm
素材:象牙
解説:海の中を自由に泳ぎまわる人魚は神秘的な魅力で人間を魅了してきた。人魚は陸に暮らす人間に憧れていた。超えることのできないパラレルワールド。

「人魚」

「白鬼夜行」
「白鬼夜行」作者:赤木 英文(1949〜)
大きさ:高3.7cm
素材:象牙
解説:平安の京では深夜に鬼や妖怪が徘徊したとして恐れられた。闇は異世界のとばりを開く合図。ふてぶてしい顔の妖怪も大きな眼を見開いて獲物を追う。
「みつめ」作者:若林 寛水(1955〜)
大きさ:高4.2cm
素材:マホガニー
解説:額の中央に第三の眼をもつ妖怪であり、正体は古狸とされ、巨大化して人を驚かすという。長いあいだ時空をさまよった狸もタイムトラベラーかもしれない。

「みつめ」



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