海外プロモーション・インバウンド支援を行うインタセクト・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:譚 玉峰、以下 インタセクト自然、文化が企画・運営を担当し、地域のインバウンド収益の最大化をテーマとした「インバウンド分科会」が、2026年9月10日(木)、ザ・プリンス パークタワー東京にて、一般社団法人 日本中華總商会主催「CCCJ WEEK 2026」の一環として開催されました。
本分科会では、インバウンド市場が「量の拡大」から「質の向上」へと転換する中、「地域との共生を前提に、いかにインバウンド収益を最大化するか」をテーマに、基調講演、2つの講演、パネルディスカッションを実施しました。
スキーやゴルフなどのアクティビティ、食・文化などの地域資源を高付加価値な「体験」へと磨き上げ、訪日外国人旅行者の消費と地域の収益につなげるために何が必要なのか。民間企業、観光事業者、自治体、学術など、それぞれの立場から具体的な取り組みや課題が共有されました。
■開会挨拶

分科会は、日本中華總商会副会長・インバウンド協議会委員長であり、当社の代表取締役社長を務める譚 玉峰の開会挨拶からスタートしました。
譚は、日本のインバウンドが転換点を迎える中、これまでの「何人が日本を訪れたか」という訪日客数だけでなく、「日本で何を体験したのか」という体験価値が、これからますます重要になると説明しました。
また、スキーやゴルフ、温泉、抹茶、食など、日本各地に眠る地域資源にも触れ、こうした魅力を体験価値へとつなげ、地域に価値を還元していくことの重要性を示しました。
さらに、今回の議論を通じて、参加者が自社や地域で実践できるヒントを持ち帰り、新たなアイデアや出会い、ビジネスにつながることへの期待を述べました。
■基調講演
「日本のインバウンド戦略は量から質へ!高付加価値な地域のコンテンツ開発と世界のアッパー層が今求めるものとは?」

登壇者:株式会社Beyond 代表取締役 道越 万由子 氏一般社団法人 日本インバウンド連合会(JIF) 幹事長
観光庁 広域周遊観光促進 登録専門家
茨城県 広報戦略アドバイザー / 総合計画審議会委員
神奈川県 広報戦略委員
「量から質」へ――その地域でしかできない体験が旅の目的に
訪日外国人旅行者が4,000万人を超える一方、東京や京都など一部の観光地ではオーバーツーリズムが課題となっています。こうした中、道越氏が基調講演で提起したのが、インバウンドの「量から質」への転換です。
旅行者のニーズも、有名観光地を巡る旅から、「まだ誰も行っていない場所」や「その地域でしかできない体験」を求める旅へと変化しています。特に欧米豪・中東などのアッパー層が重視するのは、豪華なモノを消費することだけではなく、その土地の文化や歴史に触れ、本物を知り、学ぶ「コトの贅沢」。地域ならではの体験そのものが、旅の目的になりつつあります。
アクセスより「そこへ行く理由」をつくる
その可能性を具体的に表すのが、Beyondが展開する富裕層向け体験予約サービス「Origami Concierge(オリガミ・コンシェルジュ)」の事例です。愛媛県では特設ページと約30の体験コンテンツを造成し、公開約1カ月後には中東の王族ファミリーによる約1週間の滞在につながりました。
岐阜県・長良川鵜飼のVIP席や、高知県須崎市で鍛冶職人から直接学ぶ体験など、決して安価ではなく、アクセスが良い場所にあるわけでもない体験にも予約が入っています。「その体験のために行きたい」という強い目的があれば、地域そのものが旅の目的地になり得る。地域資源の価値を捉え直す重要性が、具体的な事例とともに語られました。
「価値を磨く」だけでなく、「世界へ届ける」まで
道越氏が強調したのは、「価格を語る前に価値を語る」こと。地域にすでにある自然、文化、食、伝統技術などを海外旅行者の視点から見直し、その背景にある歴史や人の物語を加え、価値に見合った価格で提供することが重要だとしました。
一方で、魅力的な体験を造成するだけでは誘客にはつながりません。
Beyondでは、欧米豪の中間富裕層以上を扱う海外旅行会社やDMC、トラベルプランナーなど約550社と連携しています。
地域資源を発掘する→体験として高付加価値化する→適切な価格を設定する→海外へ届ける。 地域がインバウンドで収益を生み出すためには、ターゲットとの接点を持つ流通経路まで含めた一連の仕組みをつくることが重要だとしました。
■講演1
「Trip.com Group上級会員サービスと静岡県との連携による高付加価値事業」

登壇者:Trip.com Group マーケティング部 市場開拓・マーケティングマネージャー 張 ハン 氏年間消費額1,000万円超、最上位「ブラックダイヤモンド会員」が求める体験
高付加価値旅行で重視されるのは、単に「高額であること」だけではありません。
張氏は、Trip.com Groupの最上位会員の旅行傾向をもとに、高付加価値旅行で求められる体験について紹介しました。
中国大陸で展開するCtripの会員制度は6段階で、最上位の「ブラックダイヤモンド会員」は、年間消費額50万人民元(約1,000万円超)、平均利用期間11.6年、年間予約件数100件以上、5つ星ホテルの予約比率90%という顧客層です。
こうした上級会員向けには、ゴルフや食、ファッション、スポーツなどをテーマに会員限定のオフラインイベントを定期的に展開。通常の旅行では得られない「限定性」や「特別感」が、体験の価値を高める要素になっていると説明しました。
静岡県・川奈ホテルで「地域資源×顧客基盤」
その実践例が、2025年に静岡県と連携して実施した「2025エリートプライベートゴルフコンペ スーパー・ゴルファー」です。伊東市の川奈ホテル富士コースを舞台に、ブラックダイヤモンド会員とプロゴルファーを招き、通常の観光旅行とは異なる特別なゴルフ体験を提供しました。
Trip.com Group、静岡県、県観光協会、県ゴルフ場協会などが連携し、地域・観光の活性化や質の高い訪日客の誘客、静岡県の新たな魅力の海外発信を目指した取り組みです。
地域にすでにある観光資源も、「誰に、どのような体験として届けるか」を設計することで、新たな価値を持つコンテンツになります。静岡県での取り組みは、地域資源とOTAの顧客基盤を掛け合わせ、体験造成から海外発信、誘客までをつなぐ実践例となりました。
■講演2
「地方百貨店を取り巻く環境とインバウンドを活用した新たな可能性」

登壇者:ネクストボンズ合同会社 代表執行役社長 原 正紀 氏縮小する地方商圏、インバウンドを「新たな顧客」に
人口が減少する地方では、これまでと同じ商圏だけを相手にしていては、顧客そのものが減っていきます。
原氏は、日本百貨店協会のDXアドバイザーとして地方百貨店の支援に携わる立場から、地方百貨店が直面する構造的な課題を示しました。2019年から2025年までに閉店した百貨店40数店舗のうち、主要10都市以外が74%を占め、10都市以外の売り上げは2019年比で約25%減少しました。
国内顧客による売上がコロナ禍前の水準を下回る一方で、インバウンド売上は大幅増となり全体の1割程度を占めるまでに増加しており、その重要性は高まっています。売上を「客数×客単価」で捉えれば、人口減少が続く地域に必要なのは、新たな顧客との接点です。原氏は、ECで国内の商圏を広げるとともに、海外から地域を訪れる旅行者に「選ばれる百貨店」になることで、新たな顧客との接点を広げていく考えを示しました。
※主要10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)
地方空港から、地域の新たな商圏を考える
その入口となるのが、地方空港の国際直行便です。地方空港では韓国、台湾、香港と結ぶ路線が一昨年比で大きく伸びており、まず見るべきなのは「訪日客」という大きなくくりではなく、自分たちの地域に実際にどの国・地域から旅行者が来ているのか。原氏は、実際の航空ネットワークからターゲットを具体化する必要性を指摘しました。
その先にあるのが、地方百貨店そのものの役割の転換です。従来の「商品を仕入れ、店頭で販売する」だけではなく、デジタルを基盤にECやインバウンドへ商圏を広げ、自治体や地域企業とともに新たなモノ・コト・サービスを生み出していく。原氏は、こうした姿を「百貨店プロデュース型」として提言しました。
また、新たな需要を地域へ取り込むには、一社だけで取り組むのではなく、地域、自治体、企業などが連携する「総合戦」が必要であり、その前提として「DX or DIE」という言葉を用い、経営トップにはDXに取り組む決断が求められると強調しました。
パネルディスカッション
「地方創生×富裕層インバウンド ―地域が『体験で稼ぐ』ための実装―」
パネリスト:
株式会社Japan Cross World 代表取締役 福原 規正 氏
株式会社岩岳リゾート 代表取締役社長 星野 裕二 氏
中央大学 経済学部 教授 唐 成 氏
静岡県 スポーツ・文化観光部 観光振興課 インバウンド担当室長兼課長代理 水野 祐子 氏
モデレーター:
ネクストボンズ合同会社 代表執行役社長 原 正紀 氏

基調講演と2つの講演を受けたパネルディスカッションでは、民間事業者、観光施設、研究者、行政それぞれの視点から、地域にすでにある価値をどう高付加価値な「体験」へと磨き、一つひとつの体験を「点」で終わらせず、地域での滞在や消費へつなげていくかを議論しました。
地域に眠る「宝」を、旅行者が買える体験へ
地域には、富士山麓に根付く信仰や歴史、美術館・博物館など、価値がありながら、まだ十分に観光消費へ結びついていない資源があります。
福原氏は、富士山を単に「見る」だけでなく、静岡県側に根付く信仰や歴史を掘り起こし、ストーリーとして伝えることの重要性を紹介しました。
一方、唐氏は、日本各地にある文化施設に着目。海外旅行者の文化への関心は高いものの、地域の美術館や博物館などには十分な誘客ができていない施設もあるとして、多言語で情報を届け、旅行者が予約・購入できる「商品」として流通させる仕組みの必要性を指摘しました。また、文化を滞在や消費につなげ、その収益を文化の保存へ還元していく考えについても触れました。
新たな施設や豪華なものを付け加えるだけではなく、その土地にすでにある背景や物語を掘り起こし、旅行者が体験・購入できる形にしていくことが、地域資源を生かす方法として語られました。
「点」から「線」へ、地域全体で稼ぐ
価値ある体験をつくった先には、それを地域での滞在や消費へつなげていく視点も必要です。
星野氏からは、白馬岩岳で冬のスキーだけでなく、絶景やカフェ、マウンテンバイクなど夏季の体験を充実させ、夏季の来場者数が冬季を上回るまでに成長した事例が紹介されました。さらに、周辺10スキー場を「HAKUBA VALLEY」として一体的に海外へ発信し、個々の施設だけでなく、地域そのものを一つの目的地として訴求しています。
水野氏からは、静岡県が進める「富士山×ゴルフ」の取り組みが紹介されました。ゴルフ場や観光関係者との連携、ファムトリップなどを展開した結果、県内ゴルフ場を利用するインバウンド客は4年間で約8倍に増加。今後はゴルフに静岡ならではの食や文化を組み合わせ、より長い滞在と地域消費につなげていく考えです。
また、地域に魅力的な体験があっても、ターゲットに知られなければ誘客にはつながりません。議論では、OTA、海外旅行会社、DMCなど、旅行者の興味やニーズに応じたチャネルを活用し、「誰に、何を、どう届けるか」までを考える重要性についても触れられました。
最後にモデレーターの原氏は、旅行者が自然に訪れるのを待つのではなく、地域にある「宝」を発掘して価値ある体験へ育て、それらを一つの旅行のシナリオとしてつなぎ、適切なターゲットへ届けることが重要だと総括しました。
■会社概要
商号 :インタセクト・コミュニケーションズ株式会社
代表者 :代表取締役社長 譚玉峰
所在地 :〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目1番地 B・Mビル2F
設立 :2000年11月
事業内容 :中国本土・台湾を主軸とした観光DXによる海外プロモーション・インバウンド(訪日誘客)支援、中国向け越境EC、アフィリエイト運用代行、アフィリエイト、サイトパトロール、システム開発など
資本金 :9,856万円
URL :https://www.intasect.com/
2000年に設立した日本国内及び中国大陸・台湾地域を主体とした海外プロモーション・システム開発企業で、以下のとおり、幅広い事業を展開しています。
国内海外QR決済ソリューション「IntaPay」、2026年11月から施行される「リファンド型」の新免税制度に対応した「InTaxFree 免税リファンドシステム」。
海外向けとしては、観光DXによる訪日誘客施策、百度広告やSNS、在日・海外インフルエンサーなどの海外デジタル広告、WeChatミニプログラム開発、Alibaba、京東、RED(小紅書)を活用した海外販路拡大。また、アフィリエイト広告運用及びアフィリエイトサイトパトロール、SIサービス、ERP事業、BPM、電子契約、ウォークスルー型無人AI店舗、スマート物流倉庫、モバイルオーダー「eateat」、添削・共有・指示ツールの「Passton」等、国内外においてDX技術を用いた幅広い事業を展開中です。
【本件に関するお問い合わせ】
インタセクト・コミュニケーションズ株式会社
電話:03-3233-3527 (平日9:00〜18:00)
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