稲盛財団（京都市中京区烏丸通四条下ルCOCON烏丸7F）が主催する「第24回京都賞」の授賞式が11月10日、国立京都国際会議場（左京区宝ヶ池）で開催された。

　京都賞は、科学・文明の発展や人類の精神的深化・高揚に著しい人々に贈られる国際賞。今回の受賞者は以下の通り。「先端技術部門」＝計算複雑さの理論の発展への根幹的貢献をしたコンピュータ科学者のリチャード・カープ博士（アメリカ、カリフォルニア大学バークレー校）、「基礎科学部門」＝シグナル伝達機構におけるアダプター概念の提唱と実証をした分子生物学者のアンソニー・ポーソン博士（カナダ・イギリス、マウントサイナイ病院）、「思想・芸術部門」＝多様な文化の共存を目指す社会哲学の構築をした哲学者のチャールズ・テイラー博士（カナダ、マギル大学名誉教授）。カナダ国籍の受賞者が選ばれたのは京都賞史上初めて。

　10日に行われた授賞式には、高円宮妃久子殿下のご臨席のもと、過去の受賞者である安藤忠雄氏（第18回思想・芸術部門）のほか、政官財界や学会などから約1,350人が出席。各受賞者に、京都賞メダルとディプロマ（賞状）、副賞となる賞金5,000万円が贈呈された。麻生太郎首相、英・ゴードン・ブラウン首相、加・スティーブン・ハーパー首相、米・ジョージ・W・ブッシュ大統領からの祝辞が披露された後、聖母学院小学校合唱団による授賞賛歌が演奏された。

　11日は各受賞者による記念講演会、12日は各受賞者によるワークショップが予定されている。京都賞ウィーク期間中、受賞者による高校特別授業や小中学生との交流事業、大学生を対象にしたフォーラムなど、各種教育イベントを実施し、最終日16日には、京都大学稲盛財団記念館の竣工を記念し受賞者3人が一堂に会する「京都賞シンポジウム」を開催する。