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祇園祭「山町」で古文書電子化プロジェクト-ボランティア募集も

明治9年に、当時の京都府知事の槇村正直氏に礎石の入れ替えについてのお願いをした文書

明治9年に、当時の京都府知事の槇村正直氏に礎石の入れ替えについてのお願いをした文書

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 蛸薬師烏丸のシェアオフィス「イノベーションオフィス」(京都市中京区蛸薬師通烏丸西入ル橋弁慶山町)で現在、橋弁慶町の所蔵する古文書の電子化プロジェクトのボランティアを募集している。

古文書の内容を書き写した原稿用紙

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 電子化するのは、橋弁慶町の町家(ちょうや)と呼ばれる町内の収蔵庫に保管されていた文書。撮影データで800枚ほどにもなる。中には、1864年の蛤御門の変(禁門の変)により山や鉾が受けた被害を報告するものなど、祇園祭に関する文書も含まれているという。

 橋弁慶町は、祇園祭で「橋弁慶山」を出す町内。八坂神社の記録、「祇園社記第十五」によると1500年の「くじ取り」について、橋弁慶山は後祭で「先規ヨリ一番也」とされていたが、1872(明治5)年から北観音山が先頭を巡行するように。大船鉾の復興の決定により、昨年の巡行から後祭の先頭となる24番目となった。

 プロジェクトの中心となるのは、橋弁慶山保存会の前理事長の那須明夫さん。那須さんは、10年以上かけて文書を原稿用紙に書き写してきた。その内容を劣化させないために電子化を決意。自らパソコン教室にも通ったが、量が多いことなど頭を悩ませていた。そんな中、町内出身で2011年に東京から戻ってきた同社の平井嘉人さんと保存会の集まりで出会う。事業支援も行う平井さんは、プロジェクト立ち上げを提案。希望者を募ったところ、府内の古文書を読む会のメンバーからも手が挙がり、協力を得られることとなった。

 「古文書からはその土地に住んでいた人の名前から風習まで細かなことまでが分かり本当に面白い。ぜひ京都の『町』の歴史に興味を持つ人に参加してもらいたい」と那須さん。平井さんは、祭りの運営に関わる町内の居住者の減少に触れ、「プロジェクトには、新旧の町内の方にも手伝っていただけたら。プロジェクトが双方をつなぐ役割を担えたら」と期待を寄せる。

 電子化作業の初回は、今月16日14時~16時を予定する。応募はメール等で受け付ける。詳細は同社ホームページで確認できる。

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