京都の博物館で疎開時描いた絵と再会-当時の児童ら集まる

疎開先で描いた描いた絵を見る当時の児童ら

疎開先で描いた描いた絵を見る当時の児童ら

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 京都市学校歴史博物館(京都市下京区御幸町通仏光寺下る橘町、TEL 075-344-1305)で開催中の「疎開の記録」展の会場に5月8日、展示されている戦時中の疎開先で描いた絵を描いた当時の児童が集まった。

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 集まったのは、第四錦林小学校の当時3年生から6年生までの男女ら12人。1945(昭和20)年4月から竹野郡網野町(現京丹後市)の丁松旅館などへ疎開していたが、8月に旧ソ連の宣戦布告により日本海側の危険が高まったことから相楽郡棚倉当尾村(現山城町)の西念寺などに移動。同年10月まで親元を離れて生活した。

 絵は、京都市内への帰郷を前に記念として描いたもの。当時21歳だった佐藤綾子先生が戦後も保管していた。当時3年生だった小笠原知子さんは寺の前にあった大きな柿の木の下で遊ぶ自分の絵を描いた。「下級生で上級生の人に大事にしてもらった」と当時を振り返る。「顔料は何色がおいしいと思う?白が甘くてみんなが舐(な)めるものだから、絵の具を使う段には無くなっていたよ。あの時は、甘いものが欲しくて仕方なかった」と田中喜好さん。

 同館学芸員の和崎光太郎さんは「こうした資料や皆さんの協力を得ながら、戦争を知らない世代の方に戦争中の経験を伝えていきたい」と話す。

 開催時間は9時~17時(入館は閉館30分前まで)。入館料は、大人=200円、小中高生=100円。水曜休館。8月28日まで。

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