京都市学校歴史博物館で企画展、一人の女性教師にフォーカス

小学5年生用の教科書「あの音あの声」

小学5年生用の教科書「あの音あの声」

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 京都市学校歴史博物館(京都市下京区御幸町通仏光寺下る橘町、TEL 075-344-1305)で現在、小学校教師・大橋まりさんを紹介する企画展「人の心のあたたかさと、理くつなしの涙」が開催されている。

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 太平洋戦争開戦の年となる1941(昭和16)年に訓導(教師)となった大橋さん。1944(昭和19)年に第二錦林国民学校に移り、集団疎開を引率。戦後はGHQ主導の教育改革に伴う小学校の統廃合などによる離散を経験した。戦後の高度成長期には「小さくても弱くても あなたには仲間がある」一節を含む無題の詩を残している。

 展示は、大橋さんが教材に使った教科書や卒業文集、写真を時系列に展示して、大橋さんの生涯を追体験できる構成を取る。展示品の一つ、新洞小学校の1952(1952)年度の卒業文集では、「人の心のあたたかさにふれた時 理くつなしに涙がこみあげます」と寄せている。「この言葉を資料の中から見つけて多くの人に知ってもらいたいと企画を立てた。『かくあるべき』と諭す先生たちとは違ったメッセージ。きっと、生徒と過ごした学校生活の中から生み出された言葉だと思う」と同館学芸員の和崎光太郎さん。

 「子ども用ワークシートも用意しているほか、現役の教師の方にも発見があるのでは。有名な人でないからこそ共感できることも多いと思う」とも。期間中、「疎開の記録」「戦後の音楽教科書」も展示する。

 開催時間は9時~17時。(入館は閉館30分前まで)。入館料は、大人=200円、小中高生=100円。水曜休館。8月28日まで。

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