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大阪・釜ヶ崎で出会った景色や人を作品に 京都市立芸術大生が展示会

島村鼓さん(左)とオギハラフウカ(右)さん

島村鼓さん(左)とオギハラフウカ(右)さん

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 「京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)」(京都市中京区油小路町)で11月29日、「あいりん地区」とも呼ばれる大阪府西成区の釜ヶ崎の景色や人をテーマにした作品展「いわゆるかまがさき ―所謂釜ヶ崎―」が始まった。

「スーパー玉出」をモチーフにした作品

 作者はこれまで約2年、ほぼ毎月釜ヶ崎に通う同大4回生のオギハラフウカさんと島村鼓さん。タイトルはメディアで使われる「大阪西成区のあいりん地区、いわゆる釜ヶ崎」という言い回しから付けた。2人によると「釜ヶ崎」の呼称は「中の人」が好んで使い、「あいりん」は行政で使われるという。「その間にあるギャップを、作品を通じて伝えたい」と話す。

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 日本画専攻のオギハラさんは、識字教室や夏祭りのブースで描いた似顔絵約300枚を展示。似顔絵を描いていると「もっと男前にならんの」と何度も顔を出す人がいたり、ジュースやお菓子を差し入れされたりと人情を感じたという。「『路上生活者』『生活保護受給者』とひとくくりにされがちだが、似顔絵を並べることで、一人一人の個性が立ち現れてくる」と作品を振り返る。

 島村さんの作品は、釜ヶ崎の街の看板などの文字を記録し、段ボールの上に再構成したもの。「炊き出し」「即日入居可」「福祉申請入居者募集」など街独自の福祉や「健康で元気に働き みんなそろって幸せに」という標語、「居酒屋 奇跡」など店舗名が並ぶ。文字の一部はおっちゃんに書いてもらったもので、「スパー玉出」(「スーパー玉出」の間違い)や、漢字にルビの付いたチラシの写しなど、識字率が高くない現実も伝えている。

 2人は「大阪万博が決まったが、街やおっちゃんにも影響が出るのではないか。これからもできる限り釜ヶ崎に行こうと思っている」と心を寄せる。「展示では問題解決できないが、問題の提示になれば」とも。

 開館時間は11時~19時。12月9日まで。

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