「Impact Hub Kyoto」(京都市上京区)で6月2日、コオロギ由来のプロテインを配合したグラノーラバーを手掛ける「BugMo(バグモ)」(同)が同社のコオロギメニューを提供するパーティーを行った。
用意されたのはサラダや和風パスタ、中華風の炒め物、ディップクラッカーと味付けもさまざまなメニュー4品。参加者は「香ばしさがある」「後のせでサクサクさせてもいい」「そのままでも食べられる」とコオロギメニューを楽しんだ。
イベントでは共同創業者の松居佑典さんと西本楓さんが食用コオロギの会社を立ち上げるまでの道のりを紹介。大学時代に病気で体調を崩し、食と健康に関心を持つ松居さんは、電機メーカー勤務時代、カンボジアで畜産用の飼料のために熱帯雨林が開発されていることを知り、「誰も傷つけない畜産システム」を模索していた。
西本楓さんはアフリカ・ウガンダで2回、食育のプログラムを実施。炭水化物に偏りがちな栄養バランスを改善するためには、その地域で安価にたんぱく質を生産する方法が必要だと結論を付け、昆虫食の可能性を考えていた。
2人は知人を通じて知り合い、今年4月に法人化。商品化に向けて試作や市場調査を進めてきた。今後は東近江市にパイロットファームを設け、コオロギの養殖体制を整える予定だという。
2人は「農家の協力を得て、コオロギのふんを肥料にした循環型の農業を行うモデルも始める。コオロギを使った『地産地消』で『自産自消』のシステムが広げられるよう頑張りたい」と意気込む。