研究者と動物園が共同シンポジウム「ずーどすえ」-動物園の復興も話題に

3月に第3子を出産したアミメキリンの「ミライ」

3月に第3子を出産したアミメキリンの「ミライ」

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 京都会館(京都市左京区岡崎最勝寺町)と京都市動物園(同町)で3月21日、シンポジウム「ずーどすえ」が行われた。

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 京都大学野生動物研究センターが企画した同シンポジウム。同センターと提携する京都市動物園、名古屋市東山動植物園(名古屋市千種区)、熊本市動植物園(熊本県熊本市)、よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)、チンパンジー・サンクチュアリ・宇土(熊本県宇城市)によるレクチャーのほか、日本動物園水族館協会長の山本茂行さんが基調講演を行った。その後は京都市動物園に会場を移し、研究者や現場スタッフからのポスター発表の場も設けられた。

 山本さんは公演の中で、被災した動物園・水族館で生き残った生き物の保護・移送や、飼料や物資の輸送への体勢作りなどの現状を説明。そして、復興が進んでも地域経済が沈滞化するため、動物園が「子どもの楽しむもの」と評価され切り捨てられる可能性が高いことについて言及。「どのような動物園を目指すのかということを今ほどはっきり考えなければならない時はない」と指摘。今後、地域の中で足場を固めること、動物園としての主体性を確立することの必要性を説いた。

 各動物園のレクチャーでは、京都市動物園がキリンの「ミライ」の子育ての様子を紹介したり、熊本市動物園に来たカバの「モモコ」の引っ越しの苦労、チンパンジー・サンクチュアリ・宇土の表情豊かなチンパンジーの生活などを写真や画像で紹介した。参加者からは「カバはどうやってけんかするのですか?」などの疑問から、基調講演を行った山本さんに対して教育現場での動物園の活用についてなど、さまざまな観点から質問が投げかけられた。

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