HORIBAグループで半導体事業を担う株式会社堀場エステック(京都市南区上鳥羽鉾立町11-5、代表取締役社長 宮本 武志)は、主力製品であるマスフローコントローラー(以下、MFC)や薬液濃度モニターなどを生産する「京都福知山工場(以下、福知山工場)」の本格稼働を開始しました。
約23,000平方メートル の延床面積を有する福知山工場は、高効率な生産体制の実現に向けて、「自働化※1」ラインや自動搬送装置を導入した量産技術を牽引する基幹工場です。需要変動が生じやすい半導体市場においても、生産量の増減に柔軟に対応できる体制の構築をめざします。
国内のMFC生産能力を将来的に最大約3倍、薬液濃度モニターも最大約2倍まで引き上げることが可能となり、長期的な安定供給体制を確立します。
さらに、工場運営の高度化に向けて、HORIBA独自のデータマネジメントシステムと多様な計測・制御技術を組み合わせ、設備の運転データや各種モニタリング情報を統合・可視化することで、生産管理とエネルギー運用の最適化に取り組みます。HORIBAの計測・制御ソリューションを実装したショーケースとして、顧客提案や技術発信を担う役割も果たします。
また、本工場の稼働を契機に、隣接する研究開発拠点「京都福知山テクノロジーセンター」との連携を本格化し、福知山エリアを半導体事業の研究開発から量産までを一体的に担う拠点として確立していきます。安定供給と技術革新を両輪に取り組みを加速し、計測・制御のリーディングパートナーとして、HORIBAグループの成長と世界の半導体産業の進化に貢献していきます。


【福知山工場の特長】
1.自働化ラインと自動搬送装置による安定した量産体制を構築

自働化ラインのロボットアーム
約10,000平方メートル の広大な生産エリアでは、半導体事業の主力製品であるMFCと薬液濃度モニターに加え、自社製品に用いるプリント基板を生産します。
MFCの生産においてはロボットアームを導入し、これまで手作業で行う必要があった調整工程を自働化します。これにより、省人化に加え、作業手順のばらつきを低減した品質の安定化も図ります。
さらに、工場内の搬送にはAGV※2やAMR※3による自動搬送ロボットを取り入れ、工程全体の効率化を進めます。自働化設備の導入により量産体制を構築することで、国内におけるMFC生産能力は将来的に最大約3倍まで、薬液濃度モニターも生産能力を最大約2倍まで拡張することが可能です。
2.データ統合・可視化による工場運営と研究開発の効率化
HORIBA独自のデータマネジメントシステムを活用し、工場内に分散する情報の一元管理を推進しています。
MFCの生産を行うクリーンルームでは、AMCモニタリングシステム※4で大気の汚染状況を計測するなど、工場各所にHORIBAの計測機器を設置しています。設備の運転データや各種モニタリング情報を可視化・分析することで、工場運営の高度化やエネルギー運用の最適化に活用していきます。
さらに、生産工程で得られるデバイスごとの特性データを、隣接する研究開発拠点「京都福知山テクノロジーセンター」と共有し、AIやデジタルツイン※5技術を活用することで、製品開発の効率化や次世代技術の早期実装にもつなげていきます。
3.再生可能エネルギーの活用で脱炭素を推進
本工場は、経済産業省、環境省、国土交通省が推進するZEB※6(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現しており、太陽光と水素を用いたエネルギー活用に取り組んでいます。
屋上には総面積約5,000平方メートル の太陽光パネルを設置し、発電した電力を工場内で最大限活用します。
余剰電力は水電解により水素へ変換・貯蔵し、燃料電池による発電を行うことで、「つくる・ためる・つかう」エネルギー循環を実現しています。
こうした取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に貢献するとともに、運用コストの観点も含めた最適化を図ります。
【施設概要】

※1 異常を検知し、必要に応じて停止・通知を行いながら、品質を維持しつつ自律的に動く仕組みを「自働化」と表現しています
※2 AGV(Automated Guided Vehicle):あらかじめ設定されたルートに従って走行する無人搬送車
※3 AMR(Autonomous Mobile Robot):自律的に走行経路を判断して移動する自律搬送ロボットのこと
※4 クリーンルーム内の空気中に含まれる分子状汚染物質(AMC)をモニタリングするHORIBAのシステム
※5 物理現象を高精度に再現する仮想モデルを用いた解析・最適化技術
※6 ZEB(Net Zero Energy Building):省エネルギー化と太陽光発電等による創エネルギーにより、年間のエネルギー収支を実質ゼロにすることをめざした環境配慮型の建築物