「南座」(京都市東山区)で12月1日、年末恒例の「まねき上げ」が行われた。
まねき上げは歌舞伎公演「吉例顔見世興業」に出演する役者の名前を勘亭流の書体で入れた看板(=まねき)を劇場の正面に掲げる行事。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、密を避けるために参加は関係者のみとし、やり方も、時間短縮のために足場を組まずにロープでまねきを引き上げる方法を採用した。
この日は9時すぎに、片岡仁左衛門さんの「まねき」が引き上げられ、全47枚のまねきがそろった。最後に支配人の藤田孝さんが塩をまき、まねきを清めた。
まねきに揮毫(きごう)をした井上玉清さんは「今年は顔見世興行ができるか不安だったが、流れずに済んだのが何より。まねきが上がって師走の華やかな景色になった」とほほ笑む。