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京都で「学問を学問」するシンポジウム 「良い」研究とは?分野を超え激論

スクリーンにはテレビ会議で参加した人の意見も投影された

スクリーンにはテレビ会議で参加した人の意見も投影された

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 Impact Hub Kyoto(京都市上京区)で3月5日、京都大学学際融合教育研究推進センターが主催する「全分野結集型シンポジウム  学問の評価とは」が行われた。

 学問を捉え直す試みとして行われた3回目の同シンポジウムでは「学問の評価」がテーマ。生命科学や理学、工学、文学、哲学、芸術学、社会学や経営、経済、医学・薬学の研究者11人に加え、テレビ会議システムを通じて農学や法学、情報学などの研究者約20人が参加した。同センターの宮野公樹さんが次々と各分野に問い掛けを行った。

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 各分野の「面白さ」を考える際には、工学系から出た「お金を掛けるより発想を転換した手法は評価が高い」という声に他分野からも賛同の声が上がった。哲学は「価値を問い直すこと」や物理学からは「共通原理で説明がつくこと」といった分野共通・特有の評価軸が出されたほか、世間の注目を集めることやお金を掛けないと解明できない研究対象について話題が及んだ。

 「面白い研究」か「(社会の役に立つ)良い研究」はどちらが重要か、と問う宮野先生さんに対して、「(人を傷つける)毒ガスの研究は『良い』と言えるか」、「時代を経て『良い』とされる研究もある」、「良い研究とは時代を経ても信頼性や普遍性の高い研究では」などテレビ会議で参加している研究者からも多くの意見が寄せられていた。

 途中、分野の「対象」の議論で袋小路に入る場面もあったが、宮野さんは「普通のシンポジウムならご高説を賜って終わりだが、この沈黙をもう少し楽しもう」と会場を鼓舞。最後には「これという結論は出ないが、世間に学問の魅力を伝えられているか自問自答しつつ、こうして分野を超えて話し合い続けることが重要」と締めくくった。

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