ソーシャルキッチン(京都市上京区相国寺門前町)で1月14日、「選挙って何だろう? 暮らしにまつわる易しい政治の勉強会」が行われた。
これまでも不定期に京都大学の政治学者の佐野亘さんを招き「権力とは」「民主主義とは」といったテーマで勉強会を開催。専門用語を極力使わず、身近な例えからテーマを掘り下げてきた。
京都市長選挙が2月にあることから、参加者から「演説会には行った方がいいのか」「マニュフェストの比較はした方がいいのか」という具体的な質問や「市長は何をする人か」「選挙カーで名前を連呼して効果があるの」といった疑問が出た。
佐野さんは、選挙は「みんな」が「代表」を選ぶ仕組みで、この両者は誰かが人に仕事を代理させる「プリンシパル」と「エージェント」の関係にあると説明。「1対1だと仕事がきちんとできたか分かるが、選挙のようにたくさんの人の中から1人を決めると、市長の仕事が専門的なことも相まってチェックしにくい」と有権者が候補者を選ぶ難しさを話した。
参加者からはアメリカ大統領選挙に向けた候補者選びで「過去の発言がSNSで紹介されるなど、判断しやすい環境ができている」という指摘も。佐野さんも「日本でも公職選挙法に違反しないいい方法」と太鼓判を押した。
会を主催した金谷麻美さんは「政治に関して身近で素朴な疑問から話題が広がって楽しんでもらえたのでは。また次のテーマを設けて開催したい」と話す。