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京都で文化庁長官が巨大生け花に挑戦 映画「花戦さ」関連イベントで

両端がイケノボーイズの藤井さんと柿沢さん(左から2番目から)宮田長官と篠原監督、池坊専好次期家元。後ろが完成した作品。

両端がイケノボーイズの藤井さんと柿沢さん(左から2番目から)宮田長官と篠原監督、池坊専好次期家元。後ろが完成した作品。

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 池坊会館(京都市下京区)で5月26日、生け花の名手、初代池坊専好を描いた映画「花戦さ」のトークイベントが行われた。

鼎談の様子

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 同作品が文化庁とのタイアップが決まったことを記念した同イベント。最初に華道男性グループ「IKENOBOYS(イケノボーイズ)」の柿沢正一さん、藤井真さんが、生け花の歴史や枝の配置を解説しながら映画で多く登場する「立花(りっか)」を生けるパフォーマンスを披露した。

 次に監督の篠原哲夫さん、4代目池坊専好次期家元、文化庁長官の宮田亮平さんが登場。篠原監督は「秀吉との対決が大きな物語だが、専好が利休や河原で倒れていた少女、蓮など人の関わりの中で話が進むのも見どころの一つ」とあいさつ。映画のどこかに出演した4代目専好さんは「信長が『見事なり、池坊』と言うほどの立派な花が出るが、そこで終わらないのが野村萬斎さんの専好の面白い部分。町の人がささやかな花や、萬斎さんが生ける1輪の花などさまざまな作品が出てくる」と話す。

 宮田長官は「花の力」について「生けたばかりの花のそばに座れて幸せ。香りが静寂の中に解き放たれて、背にしながら恋をしているよう」と表現。東京で開催された池坊展に行ったことにも触れ、「草花の命を切って生けるのに、自然にある以上に自然を感じさせることはすごいなと思った」と話す。監督も「見てきれいというだけでなく、人の心を動かす花の力を描けたと思う」と話した。

 文化庁が京都に移転することについて「東京一極集中は駄目。まずは京都と東京で2つの軸のある楕円(だえん)の構造を作っていきたい」と話し、専好さんは「京都から世界に羽ばたく映画にしていきたい、世界の方に見てもらえたら」と締めくくった。

 最後にイケノボーイズの2人が再登場。映画をイメージしてショウブや花材を次々と生け、大きな生け花作品を作り上げた。仕上げの黄色のオンジジウムを「花言葉は『一緒に踊って』。一緒に生けましょう」と3人に手渡すと、長官は「ええー難しいな」と驚きながら、しばらく離れた場所から作品全体を見て、作品の足元などに生け込んでいた。

 映画は6月3日に公開される。

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