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祇園祭「橋弁慶山」の古文書が書籍化 町衆とボランティアがデジタル記録

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 祇園祭「後祭」で、最初に京都の街を巡行する「橋弁慶山」の町内に残る資料を書籍化した「橋瓣慶町 町箱の犇(ひしめ)く文書」が販売されている。

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 書籍化は、橋弁慶山保存会前理事長の那須明夫さんが、江戸時代前期から大正時代ころまでの町内の古文書を読み進めて書き起こした手書き原稿をデジタルで記録したいと、30年ぶりに町内に戻ってきた平井嘉人さんに依頼したのがきっかけ。平井さんはブログなどを通じて興味のある人を募集。地元だけでなく、大阪など遠方からもボランティアが参加して2012年にスタートした。

 祇園祭に関する収支を記録している「御山記録」や、山を彩る飾りの一式を示した「山飾り記録」や、町内運営に関する「町儀定例控」などについて2014年4月まで作業を進め、さらに推敲(すいこう)を重ねた。書籍には文書だけでなく、明治期の橋弁慶山の集合写真や重要文化財に指定されている室町時代のよろいなどの写真も巻頭に収録した。

 2月21日には橋弁慶山の町家(ちょういえ=会所のこと)で、完成を記念した講演会が行われた。那須さんのほか京都市歴史資料館の野地秀俊さんが「弁慶と牛若丸の出会いの場」をテーマに、京都市立芸術大学で染織工芸史を担当する吉田雅子さんが橋弁慶山に残る山飾りには中国の皇帝やその臣下が着た「龍袍(りゅうほう)」を用いていると紹介。

 「幕末の町衆から見た祇園祭や池田屋事件を知りたくてボランティアに応募した」という作家の木下昌輝さんは、小説「人魚の肉」に、作業を通じて「相手が孫やひ孫の代が付き合えるかどうかで判断する」と言われるほど人付き合いに慎重な「京都人の気質」や「町内に住むには3人の推薦が必要」など町内の強固なつながりなどを参考に、池田屋事件の真相に迫ったり、新撰組の沖田総司をドラキュラにするなど大胆に描くなどして反映させたと明かした。

 書籍は1,000円。京都いのべーしょんオフィス(京都市中京区蛸薬師通烏丸西入橋弁慶町、075-251-8550)で販売する。問い合わせは平井さん(yhirai@ki-office.co.jp)まで。

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