
京都「ひと・まち交流館」(京都市下京区)で6月8日、講座「市民活動の法人格の選び方」が行われた。主催は「京都市市民総合センター」(通称=「しみセン」)。
市民活動支援や、市民団体の協力を必要とする人を仲介する同センター。初開催となった同講座は、「NPO法人と一般社団法人の違いがわからない」「どの法人格を取った方がいいのか」といった問い合わせが多かったことから企画された。
講座ではNPO法人を軸に解説。明治期以降、非営利団体は行政の代わりに活動することを前提としていたため、団体は行政庁の許認可を要し、活動も監督下に置かれたが、手厚い補助金を受給していた。しかし、1995年の阪神大震災で多くのボランティア団体が現地に駆け付けた活動が注目を集め、状況が一変。活動の必要性や質の判断をせず、法の求める要件のみを確認する「認証主義」を取り入れた「特定非営利活動促進法」が1998年議員立法で成立した。
NPO法人の要件は、活動内容が20の分野に該当する公益に資する活動を行うこと、利益の関係者間での分配禁止などが挙げられる。定款や設立総会を経て申請後、2カ月の縦覧期間を経て認証の決定がされる。全体では4~6カ月で設立すると言われる。成立後は、収益事業により生じた収益にのみ課税され、会計報告や事業報告を公開できるようにする義務がある。
一般社団法人は設立可否を判断する所轄庁が無く、書類に不備がなければ登記により設立する準則主義を採用。約数週間で設立が可能で、メンバーの勢いそのままに設立できる点が特徴。活動は公益目的である必要はないが、すべての収入が課税対象となる。定款の作り方によって、NPO法人と同様に利益分配を禁止する非営利型の法人にすることもできる。この場合の課税対象はNPO法人と同じとなる。
「団体のミッションや事業により必要な法人格は違い、継続的に運営するためにも重要な選択となる。どんな組織を作りたいかを意識して」と講師を務めた同センターの久留宮共樹さんは呼び掛ける。「個別的な相談もセンターで受け付けているので気軽に利用してもらえたら」とも。