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「京都災害ボランティア支援センター」発足-「主体的な判断」呼びかけ

地下1階にボランティアセンターのあるハートピア京都

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 京都災害ボランティア支援センター(TEL 075-254-8815)が3月13日、発足した。

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 13日に行われた合同会議で、「京都市災害ボランティアセンター」と「京都府災害ボランティアセンター」は「京都災害ボランティアセンター」として情報発信などを共同で取り組むことを決定した。現在のところ事務所を1つに統合するかなどは決まっていない。現在、同センターでは、現地への問い合わせ、物資の送付などを控えるよう呼びかけている。

 「ボランティア活動を有効なものにするためには、どこでどのような支援が求められているのかというニーズと、ボランティアの人をつなぐためのコーディネートが重要」と同センターの土田昭一さん。「一般的に医療知識などの専門性を持たないボランティアは災害発生から1週間以内に活動するとかえって救命活動に支障を来すこともある。東北地方太平洋沖地震は被害が大きく情報収集も難しいことから、現地入りできるのはそれ以降になるかもしれない」という。

 現段階ではボランティアのコーディネートのシステムが構築されていないため行くことができないが、「現地に行くだけがボランティアではない」と土田さん。募金や被災地を逃れてきた人のケアなどもボランタリーな活動だという。「阪神・淡路大震災の際は、被災地から親類を頼ってきたものの地元のコミュニティーから切り離され、孤立感から自殺してしまう高齢者もいた。地域で被災者を受け入れ、支えてもらえたら」と話す。

 被災地でのボランティアについては、水や食料などは自分で確保するなど自己責任が原則。現地での寝泊まりは迷惑をかけることになるので推奨していない。阪神・淡路大震災の時には気持ちばかりが先行して活動がうまく機能しなかったことも多かったが、震災から16年たち、知識を持ち冷静に対処するボランティアは多く、受け入れ側も必要のない支援には「要らない」と言えるようになってきているという。今回も「熱くなりすぎずに情報を判断してもらいたい」と強調する。同センターでも被災地で必要とされる支援の情報が入れば発信を行っていくという。

 2004年の台風23号による浸水被害が出た際、府北部にボランティアバスを出し、市内から多くの人がボランティアで参加した。「この地でやっていくことはもう無理だと思っていたが、遠くから駆けつけてくれたボランティアの姿を見て勇気が出た」と話す被災者もいたという。「自分にできることを主体的に判断し行動してもらえたら」

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