京都高島屋（京都市下京区四条通河原町西入真町）7階で開催されている遠藤湖舟さんの写真展会場で4月9日、遠藤さん、脳科学者の茂木健一郎さん、美術ジャーナリストの鈴木芳雄さんによるギャラリートークが行われた。

　長野県生まれの遠藤さんは中学生のころから天体写真を撮り始めたという。2004年に九十九里浜で撮影したブラッドフィールド彗星（すいせい）の写真が話題となり、海外の天文雑誌の表紙を飾った。今年は龍村美術織物の会長で四代目龍村平蔵さんとコラボした錦帯を制作するなど活躍の場を広げている。

　「『天空の美、地上の美。』見つめることで『美』は現れる」と題した同展では、月や星などの天体、水辺に写り込むネオンライトの揺らぎ、身近な草木を切り取った作品約130点を展示。1メートルを超える大判の作品や、写真を組み合わせて作った「ゆらぎのトンネル」もあり、作品の撮影も許可されている。

　ギャラリートークでは、遠藤さんが撮影方法や展示の意図を解説。茂木さんは「『ゆらぎ』シリーズは写真だが動いているように見え、生命の本質である揺らぎを感じる」と指摘。鈴木さんは「写真というより光を描いた絵画のようだ」と力説。遠藤さんは「難しい顔をして硬くならずに、ぜひ友人や家族とあれこれ語ってもらいたい。慌ただしい毎日にふと立ち止まり、宇宙や自然を見るきっかけになれば」と話した。

　横浜市から参加した60代の女性は「遠藤さんの身近な自然や、雨の作品は、生命の輝きを感じられるのが魅力。茂木先生の脳の話もつながりが面白いと感じた」と話していた。

　開催時間は10時～19時30分。入場料は、一般＝800円、大学・高校生＝600円、中学生以下＝無料。4月20日まで。