京都で江戸時代の古地図展-小図・中図40点で江戸の豊かさ知る

展示担当の伊東宗裕さん

展示担当の伊東宗裕さん

  • 0

  •  

 京都市歴史資料館(京都市上京区寺町通丸太町上ル荒神口下る松蔭町)で現在、「大塚コレクション 古地図の世界-小図・中図のいろいろ」が行われている。

展示されている古地図(一部)

[広告]

 大塚コレクションとは、古地図研究科である大塚隆さんが京都市に寄贈した約1000点の古地図類。同展ではそのコレクションの中から江戸時代に出版された京都の小図(こず)・中図(ちゅうず)約40点を展示する。

 小図は縦50センチ、中図は縦70~90センチ位の大きさの地図。古い地図では、縦が人の背丈ほどある大きさの大図(おおず)が、情報量が多く、見応えがあり、当時の印刷の先端技術が使われていたということで注目されやすい。しかし、「商品として普及したのは、携帯に便利で野外でも使える小図や中図だった」と同展担当の伊東宗裕さん。スペースが限られているため、観光用などに情報を特化し、工夫を凝らした多様な地図が出版されたという。

 同展では、観光地から観光地へ移動がしやすいように、道筋を赤で目立つように色付けした地図や、土産用に観光地のイラストが描かれた地図が時代順に並ぶ。「町名が省略されたものが多いが、現代の京都と同じで、通り名だけで十分場所が伝わったようだ」とも。

「同じ『京都の地図』でも小図や中図はたくさんのバリエーションがある。商品の選択肢が多いことは、江戸時代の経済的な豊かさの表れ。今回の展示を通じて、消費社会の一歩手前の様子を感じてもらえれば」

 3月21日と4月18日の14時から、伊東さんによる展示解説も行う。申し込み不要。

 開催時間は9時~17時。入館無料。月曜・祝日休館。4月24日まで。

烏丸経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース