京都 清宗根付館(京都市中京区壬生賀陽御所町、TEL 075-802-7000)で2月1日から、冬の一般公開「桑原仁展」が始まる。
根付けは、江戸時代に印籠や煙草入れなどを帯から下げる際に紛失や盗難を防ぐために使われた留め具。そのため、ひもを通すための穴があり、一般的に小さく角のない形に仕上げる。意匠としての面白さはもちろん、俳句や故事、謎かけを題材にして使う人を楽しませる工夫が随所に見られる。海外で芸術品としての評価もされており、近年では海外のアーティストによって制作も行われている。
今期は桑原仁さんの作品を特集展示する。得意とするのは植物や魚介類の意匠。そうしたモチーフを通して日常の一コマに見られる興味や感動を淡い色調で表現する。春の訪れを感じさせる「福寿草」など、花の作品や、カニの殻をふたによける様子までリアルに再現した「かになべ」、たこや羽子板など遊び道具を集めた「新春」などの作品が並ぶ。
「繊細な彫りと淡い色合いで表現される温かさを感じ取ってもらえたら」と同館広報担当者。
開館時間は10時~17時。入館料は、大人=1,200円、中高生=600円(小学生以下は入館不可)。2月29日まで。