真宗大谷派東本願寺(京都市下京区烏丸通七条上ル)は7月16日、「2011年宗祖親鸞聖人750回御遠忌 特別記念事業」として修復中の真宗本廟・東本願寺「御影堂(ごえいどう)」を覆う素屋根のスライドセレモニーを行った。
当日は2,000人以上が見守る中、「御影堂」を覆う素屋根を「阿弥陀堂」にスライドさせるセレモニーを開催。総重量1,500トンある素屋根を、毎分50センチ、67メートルを約3時間かけてけん引する。
素屋根を再利用する「スライド工法」は、下部にローラーとレールを設置しけん引ジャッキで平行移動させる。同手法は大幅な工事費の節減と廃棄物の削減につながるという。
東本願寺境内には北側に「御影堂」、南側に「阿弥陀堂」が配され、江戸時代に4度の火災に見舞われ、現在の建物は1895(明治28)年に再建された。「御影堂」の修復工事は2004年から行われ、屋根の葺き直しや木部の補強・補修、耐震補強、建具や飾り金物を補修。今回の素屋根の移動により5年ぶりに世界最大級の木造建築物といわれる「御影堂」を境内から見ることができるようになった。
阿弥陀堂の修復は2012年1月からを予定している。