漢字能力検定協会(京都市東山区)が11月12日、同協会が毎年行う「今年の漢字」の応募傾向を発表した。
「今年の漢字」はその年の世相を表す漢字を一般から募集して発表するもので、例年12月12日の「漢字の日」前後に清水寺で一番応募数が多かった漢字を発表し、奉納するのが恒例となっている。
今年の漢字の応募締め切りが12月6日と近づいていることを受けて同協会では過去の応募傾向を発表。それによると地域や応募方法によって選ばれる漢字に差が出ていることがわかった。
2020年の「密」は新型コロナウイルス感染症の影響で、2019年の「令」は新元号の令和と全国的に大きな出来事があると同じ漢字が選ばれやすいという。しかし、北海道胆振東部地震や大阪北部地震、西日本豪雨などに見舞われた2018年、これらの被災地ではなかった秋田県では1位に「金」、3位に「農」、4位に「輝」が入るなど甲子園の金足農業高校の活躍が理由と思われる結果となった。
応募方法によって1位と2位に差がついた例も紹介された。2020年の2位の「禍」にインターネットではほぼ同票が集まったものの、団体の紙応募では1万1000票以上の開きがあった。これは、団体応募は中高生が多く「禍」を学習していない人が多いことも影響していると思われると指摘。「インターネットでの応募が増えることで傾向も変わるかもしれない」としている。
「今年の漢字」のインターネットでの応募締め切りは12月6日。発表は12月13日を予定する。