妙傳寺(左京区)で11月6日、「まねき書き」が行われた。
「まねき」は、江戸時代から芝居小屋の飾りとして用いられたもので、現在も南座(東山区)で年末に行われる「吉例顔見世興行」に合わせて新しいまねきが上げられる。
この日、今年で7年目となる井上玉清(ぎょくせい)さんが、ヒノキの板の幅いっぱいに「勘亭流」という書体で、たっぷりの墨を使って、役者の名前を書いた。この太くて隙間なく内へ曲げるようにする書体は、劇場が隅々まで大入りになるように縁起を担いだものだという。
今年は新型コロナウイルスの影響で公演が3部制となるため、例年より少ない約40枚が書かれる予定だという。井上さんは「春ごろには公演があるのか心配だったが、こうして途切れずにまねきを書けてよかった。京都の皆さんも楽しみにされているのでは」と話していた。
まねき上げは11月下旬に行われる予定。