蹴上疎水公園(京都市東山区)で行われた「白川あかりの茶の湯の会」で10月3日、3密を避ける「コロナ時代の茶室」が設けられた。
茶室はスペースデザインカレッジの京都校と大阪校で学ぶスペースデザイン設計科2年生の学生が取り組んだ。11人の案の中から宗本心慈(しんじ)さんの「見え隠れする茶室」が採用された。
茶室は主に合板で作られており、客は階段の上にしつらえられた畳に着座し、格子状のひさしに透明のアクリル板を張り、亭主の姿を見ることができる。亭主は障子の仕切りを開きそこから茶を供する。段差を設けることでソーシャルディスタンスを取れるように設計している。
宗本さんは「茶室の天井高を亭主の床を客側より下げることでへり下った気持ちを表現することから着想を得た。実際に設計したものが形になってとてもうれしく、施工にも興味が湧いた」と話す。
同校教員で設計の指導に携わった一級建築士の磯久五郎さんは「茶室は三3密の要素が重なってしまい、京都でも茶会や献茶などができなくなっていると聞く。お茶と深い関わりのある京都から学生が時代に合った茶室の提案ができるのは意義があるのでは」と話す。