京都に拠点を構える演劇団体「空降る飴玉社」が9月5日、観客を入れての試演会「恋文ランデブー~旅する僕と、待つ私~」を京都市東山青少年活動センター(東山区)で行う。
新型コロナウイルス感染症に留意しながら新しい舞台のあり方を模索する中で行う同公演。同劇団はこれまで、4月は独り芝居の準備を始めるも、感染が収まらないことから映像制作への切り替えを余儀なくされ、5月には東京から制作スタッフを迎えられず、自ら撮影や編集を行い、作品を公開するなど試行錯誤を続けてきた。
公演は通常よりも短い約30分にし、観客は会場定員の半分にする。観劇のほか、当日のライブ配信とアーカイブ配信の3つの方法を用意する。料金は「なるべく劇場で同じ時間を共有してほしい」という思いから、観劇は無料、当日のライブ配信は300円、アーカイブ配信は500円に設定した。
ストーリーは旅をしながら小説を書く男性と、東京で雑貨店を営む女性の手紙のやりとりを軸にした物語。同作に出演する谷内(やち)一恵さんは「遠くにいて会えなくても、気持ちが通じている2人なら工夫できることがあると思わせてくれて、手紙の良さに触れられる作品に仕上がっている」と話す。
当日はステージと客席をビニールシートで区切るほか会場は1時間に1度の換気を行う。観客にはマスクの着用やアルコール消毒を呼び掛ける。完全予約制で、住所や連絡先の提供を求める。
谷内さんは「配信は生の舞台と違うので悩みはあるが、遠方の方に見てもらえたり、演劇に触れる機会が増えたりすることはいいことだと思う。このコロナ禍で気付かないうちに『渇いて』いる人も多いのでは。この公演が心の潤いを取り戻す一翼を担うことができれば」と意気込む。
料金は、観劇=無料、ライブ配信=300円、アーカイブ配信=500円。定員は15人。予約はホームページで受け付ける。