コワーキングスペース「Impact Hub Kyoto」(京都市上京区)で11月16日、「ユヌス博士と語り合うわたしたち高校生の未来」が行われた。
ユヌス博士は、貧困に苦しむバングラディッシュで、農村部の女性を中心に無担保小口融資(マイクロクレジット)のシステムをグラミン銀行で実践。貧困撲滅への貢献が評価され、2006(平成18)年にノーベル平和賞を受賞した。
京都大学総合博物館准教授の塩瀬隆之さんや、バングラディッシュでの活動の経験もあるアーティストで大阪府立大学の准教授でもあるハナムラチカヒロさんの協力で高校生が準備した、貧困に関する質問をユヌスさんにし、ユヌスさんが回答した。
この日は洛北高校や堀川高校、嵯峨野高校、西京高校の高校生16人が参加。今日のために貧困に関するキーワードを500近く考え、それを元に考えをまとめ、模造紙やブロックを使って発表。日本語と英語を交えてユヌスさんに質問した。
堀川高校の男子チームは、国が子どもの教育に予算を割り当てられないことから貧困が生じていると仮定し、貧困問題解決には「貧困のない国からの援助や支援が必要」という考えを前提に「どうすれば私たちは本当に貧困国の問題解決を望むのか」と質問した。
ユヌス博士は「日本も含めて、国はどこかで貧しいタイミングがあり、どんなに豊かな国でも貧しい人はいる」と話す。「貧困は貧しい人が作ったものではない」とも。「自分が優越的な立場を占めたら機会を閉ざし、貧困層には『スキルがないから』と言い訳する。つまり私たちが実践しているシステムが貧困を作っている。貧困を解決したいのかという問いは重要」と質問した3人を讃えた。
高校生たちは緊張から言葉を探す場面もあったが、自分たちが考えたことを伝えようと熱の入ったプレゼンを行い、ユヌス博士も「いい指摘です」と自身の活動や、問題の捉え方をアドバイスした。