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フィンランドの先進的な取り組みを紹介する「ソーシャルデザイン先進国フィンランドに学ぶ クリエイティブ&サステイナブルなまちづくり」が、Impact Hub Kyoto(京都市上京区)で3月9日、行われた。主催は日本フィンランドデザイン協会。
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して行われた同イベント。大学生からシニア層まで約50人が参加した。
第1部では、Visit Finland(フィンランド政府観光局)の日本代表を務める能登重好さんと、京都府政策企画部副部長の村尾俊道さんが登壇。
能登さんは、フィンランドで進んでいるサステイナブル・ツーリズム(持続可能性を尊重する観光)をレクチャーしたほか、地方の観光に「MaaS(マース)」(Mobility as a Serviceの略で交通手段を一つのサービスとして捉えること、統合型移動サービスとも)を活用するなど、ITを活用する方法を模索する動きも始まっていることを紹介した。
京都府で交通政策に携わってきた村尾さんは、北近畿丹後鉄道などの取り組みを通じて交通機関のデザインの重要性と交通が地域に与える力の大きさを指摘。少子高齢社会での課題を踏まえ、教育、福祉、観光など地域のマネジメントに直結する交通を改めて考え投資していく必要性を訴えた。
ヘルシンキとインターネット電話をつないだ第2部では、東海大学講師でヘルシンキをクリエイティブ・シティ(創造都市)の観点から研究する柴山由理子さんが公共サウナ「ロウリュ」や、ヨーロッパとアジアをつなぐ航空会社として成功を収めるフィンエアーの事例を紹介。
グラフィックデザイナーの遠藤悦郎さんは、2017年からフィンランドで開始された交通アプリ「Whim(ウィム)」をユーザーの視点から紹介。MaaSが世界で始めて実現し、毎月定額でさまざまな公共交通が利用できる先進的なサービスの体験について語った。
同協会では今後も継続的に催しを行い、フィンランドへの関心を高めていきたいとしている。