京都アスニー(京都市中京区)で3月2日、「認知症にやさしい図書館とは? by阪大 Part VI」が行われた。
図書館に認知症の人が訪れることが多いことを背景に、2016年に大阪大学で始まった同会。2017年10月には「超高齢社会と図書館研究会」が、「認知症にやさしい図書館は、みんなにやさしい」をコンセプトとした「認知症にやさしい図書館ガイドライン」を策定した。
この日は図書館関係者、福祉や行政関係者ら80人が参加。「図書館では個人情報を提供できないが、どのように外部機関に連絡すればいいか」といった質問や、福祉施設運営者からも「図書館を使う利用者は多く、図書館にあらかじめ伝えておきたい。職員の方は忙しそうにしているが、誰に言えばいいのか」という質問が出た。
これに対し「『ちょっと来てもらえませんか』で、できる限り対応している」という地方包括ケアセンターからの回答や、「図書館職員は利用者に安全に気持ちよく使ってもらうことを心がけているので、まずは気軽にカウンターに声を掛けてもらえたら」など、活発に意見交換が行われた。
会では、学生が認知症理解のために考えた取り組みの発表も行われ、天王寺高校の「日めくりカレンダー」や京都大学の学生が考えた「京都一円すごろく」が紹介された。発表に参加した天王寺高校の吉村柚香さん、三浦海歩さん桃井晴香さんは「退職後の夫婦を想定して作ったものだが、図書館に認知症の方が訪れることを知ったので、図書館にも置いてもらえると、理解を広げられるのでは」と話していた。