「若林佛具製作所」京都本店(京都市下京区七条通新町東入る)が11月28日、リニューアルオープンした。
1830(天保元年)に創業した同社。二条城唐門、知恩院御影堂などの文化財修復からの家庭用仏壇の製造・販売まで手掛ける。創業200周年に向けた取り組みの一つとして同社ビルのファサードと1~3階を大幅にリニューアルした。
1階は木工品や香をはじめ、鈴(りん)などの仏具を扱うショップとして改装。壁や床、什器は白に統一してギャラリーのような空間に仕上げている。照明の内側には彩色師、什器の側面には蒔絵(まきえ)師が空間の広がりを表現する文様を描いた。
2階は木材の色をそのまま生かすことの多い現代的な仏壇に合わせ、明るい色使いを取り入れたショールームに、3階は墨色の面と光を使ってコントラストを生み出して仏壇を引き立たせた、伝統的な仏壇のショールームに改装。この日は2階で特別に、仏壇のパーツを製作する、彩色師や仏師らが作業の様子を公開した。
5階は「京仏壇ミュージアム」としてパネルと映像で仏壇の製造工程を紹介するほか、同社に伝わる仏具や絵巻物なども展示する。
リニューアルのレセプションでは、来春発表予定の新型の国産オリジナル仏壇「HAJIME」のプロトタイプも発表。デザインを担当した清水慶太さんは「扉を無くし、照明の光が入るように上部の奥行きを狭くした。リビングなど現代的な家具とも調和するデザインに仕上げているので、身近な場所に置いて手を合わせてもらえたら」と話す。
1階エントランスでは現在、リニューアルを記念して、木地師の工房を再現した特別展示を行っている。12月10日まで。