京都国立博物館(京都市東山区)で10月3日、「国宝展」が始まる。
同館120周年と日本の法令上「国宝」の言葉が初めて使われた「古社寺保存法」制定から120年に当たることを記念して開催する同展。国宝指定されている885件の中の4分の1に相当する国宝210件を4期に分けて展示する。
「絵巻物」「仏画」「六道と地獄」「書跡」「陶磁」「金工」など12のテーマで部屋ごとに設け、4期に分けて展示する。考古の部屋では新潟県笹山遺跡から出土した「深鉢形土器(火焔型土器)」や長野県棚畑遺跡から出土した通称「土偶のビーナス」を展示する。「中世絵画」には雪舟唯一の人物画「慧可断臂図」(愛知県斉年寺所蔵)を含む雪舟の6件を集めた。「近世絵画」として俵屋宗達作「風神雷神図」、「漆工」には「琉球国王尚家関係資料」(那覇市歴史博物館)などを展示する。
学芸員の降矢哲男さんは「数年掛けて用意をしてきたので、緊張した気持ちとワクワクした気持ち。火焔型土器は、一度は断られたが『やはりこれが無いといけない』と再訪して出展の許可をいただき、16年ぶりに県外で見られる機会になった。『国宝』という宇宙に飛び込んでもらえたら」と来館を呼び掛ける。
11月4日は佐々木丞平館長の記念講演会を行う。要事前申し込み、申し込み締め切り日は10月17日。
開館時間は9時30分~18時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は、一般=1,500円、大学生=1,200円ほか、高校生=900円。月曜休館。11月26日まで。