京都市交通局が販売する「スルッとKANSAI都(みやこ)カード」(以下「都カード」)が終了するまで1月31日、残り1年を切った。
「スルッとKANSAI」は、関西の鉄道・バス事業者を中心に構成される加盟事業者間の共通乗車サービス。阪急の「ラガールカード」、京阪の「スルッとKANSAI Kカード」など磁気式の対応カードを各事業者が販売する。額面額と販売価格は同じ。京都の事業者では、同局のほか京都バス、京都京阪バスが加盟している。
「スルッとKANSAI協議会」(大阪市)は昨年7月、2017年の3月末日の対応カード販売終了と、2018年1月末の共通利用の終了を発表。同局もこれに合わせ同日の営業終了での販売や利用終了を発表した。
同局は2000年3月同協議会に加盟。スルッとKANSAI対応カードの「都カード」を発行し、最盛期の2005年度には年間約200万枚を売り上げた。その後、発行枚数はICカードの普及などにより減少。地下鉄では2007年に同協議会が提供する共通乗車ICカードサービス「PiTaPa(ピタパ)」やJR西日本の「ICOCA」に対応。2013年には対応事業者がSUICAなど10社に拡大。2014年には市バスでの運用も開始した。
最新の数字となる2015年度は約83万枚にまで落ち込んだ。同年のICカード利用者の割合はバスで8.9パーセント、地下鉄で23.9パーセント。阪急電鉄、阪神電気鉄道などの4社は4社間の共通磁気カードの運用を行うといった動きもあるが、同局ではICカードの利用を推奨していくという。
同局営業推進室は「スルッとKANSAIの終了で混乱の無いようこれから周知を進めていく。一方で、「ICOCA(イコカ)」定期券の販売や、地下鉄とバスの乗り継ぎサービスといったICカードサービスの拡充で利便性を高めていきたい」と話す。