みやこめっせ(京都市左京区)で11月16日、NTT西日本が「マイスターズカップ」を開催し、女性2人で作る「関西チーム」が優勝した。
マイスターズカップは、NTT西日本グループが技術力や顧客満足度の向上などを目的に、光IP工事などの技術や技能レベルを審査する競技会。2004年から始まり今年で13回目となる。競技は4部門で行い、東海、北陸、関西、中国、四国、九州の各エリアで行われた予選を突破した選手が本選に出場した。
関西チームが優勝した競技は、架空光ケーブル区間、架空メタリックケーブル区間、地下光ケーブル区間の3つを対象とした「アクセス競技」。2人1組で行われ、6エリアで行われた予選の優勝チームと育成枠の1チームが出場。正確性、規格の整合性、作業の安全性、効率性、スピードが審査された。
優勝した関西チームは「女性ならではの繊細さを生かした完璧な出来高、安全性を配慮した作業ができた。ここまで支えてくれた皆さんのおかげ」と話す。
関西チームは、女性が中心となって作る「現場環境改善PT(プロジェクトチーム)」とメーカーとが連携して開発した「スリーブ締結治具」を使った。「地下作業」は力のいる作業が多く、特に固いバックルを締めるのは2人で作業していたという。「全力で締結を行うので、作業に余裕がなくバックルの隙間に手を挟むといった失敗もあったが、新たな工具はその心配が無く、1人で作業できるため、作業時間の短縮につながった」と分析する。
関西チームの優勝を支えた工具を作った「現場環境改善PT」は、現場に出る女性の増加を受けて、女性と男性の両者が働きやすい環境改善を行っているチーム。今年4月に発足し、女性を中心に、作業しやすい市販品の調査や検討や汚れや汗染みが目立ちにくいユニホームづくりなどに取り組んでいる。
現場環境改善PTの立ち上げや、現場の女性社員のヒアリングと男性上司との面談など環境改善に取り組んできたNTTフィールドテクノ(大阪市)のダイバーシティ推進担当の小笠原祐佳さんは「女性の活躍フィールドが拡大している中、マイスターズカップで、女性だけのチームが初めて優勝したことは、今後の期待や可能性の広がりを感じ、とてもうれしく思っている。女性ならではのアイデアや発想を取り入れることで、さらなる職場の活性化につながれば」と話す。