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上賀茂神社で「葵サミット」 フタバアオイ育てる小学生らテレビ会議システムで交流

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 賀茂別雷神社(上賀茂神社・京都市北区)で11月5日、フタバアオイを育てる小学生らによる発表会「葵サミット」が行われた。主催は「葵プロジェクト」。

境内に植えられた紫竹小学校から戻ってきたフタバアオイ

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 フタバアオイは、毎年5月15日に行われる京都三大祭の一つ「葵祭」で関係者が胸や冠に挿し、祭で重要な役割を持つ。かつて上賀茂神社周辺にはフタバアオイが多く自生していたが、環境の変化により自生地が激減。同プロジェクトは境内のフタバアオイを株分けし、企業や学校で育て、再び上賀茂神社に戻す活動を展開。この活動から上賀茂神社から駿府城に葵を献上する「葵使」が着目され、大政奉還以来途絶えていた儀式が復活した実績も持つ。

 上賀茂神社をはじめとした各会場にはフタバアオイの「里親」となっている小学生や中学生らが参加。紫竹小学校(北区)をはじめ、北星中学校(浜松市)、葵小学校(静岡市)、立待小学校(鯖江市)に、東京からの参加者がNTT西日本のテレビ会議システムで各会場をつなぎ、それぞれ発表を行った。

 紫竹小学校の児童らが一画ごとに揮毫(きごう)した「桂」と「葵」の文字を大きな書を会場に掲げたほか、地域でアオイを育てる人にもインタビューを実施。「自分が育てたフタバアオイが葵祭で使われ、世界の人に感動を与えられるのはうれしい」などの声を紹介した。徳川家とフタバアオイの関係、フタバアオイのしおりやクッキーを作り販売することで地域の人にアオイについて知ってもらう取り組みを発表した。

 京都市都市緑化協会の森本幸裕理事長は「地域によって育ち方も異なるため、次回はいつ花が咲き、葉が落ちたかということも発表してほしい」と児童らに呼び掛けたほか、「葵のネットワークがこうして広がり、続いていくことはとても素晴らしいこと。フタバアオイを育てるだけでなく、環境を知り文化を知るという本当の勉強になっている。継続してほしい」と会を締めくくった。

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