京都のウェブ制作会社「メディアインパクト」(京都市上京区甲斐守町97、TEL 075-406-1349)が現在、ブラウザーゲーム「京都田の字クエスト」を公開している。
昨年8月のベータ版公開から1年がたった同ゲーム。烏丸通、四条通、木屋町通、御池通に囲まれた「田の字地区」内にある12商店街を舞台にしたロールプレーイングゲームで、主人公を歩かせる、商店街を歩くキャラクターと会話するなどでレベルを上げ、「商店街の12の試練」を乗り越えることを目指す。
「誰もが知っている某RPG」をリスペクトし、キャラクターとの会話がゲーム進行の助けとなる。商店街を歩くキャラクターは、商店街や通りの歴史、町の小ネタを話す。中にはクイズを出題するキャラクターも登場し、話を聞くだけでなく、ミニゲーム要素も盛り込んだ。「足の疲れ」や「空腹」などが敵キャラクター「壁」として登場し、商店街を歩く自分との戦いを表現した。戦いに負けると、どこで倒れたかなどのプレイ状況をツイッターに投稿できるなど、SNSとの連携も実装している。
「メディアインパクト」社長の宮嶋健人さんは「京都の商店街を集めたポータルサイトとして制作を始めたが、一般的な紹介サイトはそれぞれの商店街が既に運営していたため、これまでにない独自性を求めて、商店街を舞台にしたゲームを開発した」と話す。「愛着を持ってもらえるよう史跡、東西の路地の本数、公衆トイレの位置、各商店街の舗装タイルのデザインは現物を忠実に再現するなどこだわった」とも。観光サイトとしては、史跡などの立て札を調べると、ウェブサイトが表示されるなどの機能が実装されている。
同社では現在、ゲームの登場人物を募集している。価格は、個人=無料、PR目的にも利用できるスポンサー費用は1カ月=1,000円。「キャラクターとしてゲームに登場することで、愛着を持ってもらえるのでは。応募フォームではキャラクターのセリフ、容姿、登場する商店街などの設定もできる。キャラクターのドット絵は京都コンピューター学院の学生が作成した。応募者からは、よく似ているなどのメッセージをもらうなど好評を得ている」と宮嶋さん。スポンサーには、現実の店舗と近い場所にゲーム内店舗を設置して、店舗PRとともにゲームで使える特別なアイテムを設定するなどのサービスも検討しているという。
「今後は、スマートフォン版や多言語版の配信を目指す。ミニゲームなどの実装も準備している。国内の人だけでなく海外の人にも楽しんでもらえる、新しい観光紹介サイトの先駆例となれば」と意気込む。