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京都の保育園に「食べられる校庭」 米発「エディブルスクールヤード」とは

キュウリの収穫

キュウリの収穫

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 妙心寺敷地内にある「ゆりかご保育園」(右京区花園妙心寺町)で現在、「エディブルスクールヤード」の取り組みが行われている。

色鮮やかな「おやつ」

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 エディブルスクールヤードとは、校庭の一部で畑を耕し、オーガニックの手法で野菜を栽培・収穫し調理して食べることで「食」と「農」を五感で学ぶ取り組み。米国・バークレーで始まったもので、ジャンクフードや肥満率といった問題を背景に米国全土で広がっているという。

 同園では、今年4月から「Edible class+design」の松居佑典さんと共に校庭の一部に木製のプランターを作り、子どもたちが選んだ野菜を植えた。ミミズに新聞紙や給食室から出る野菜クズを与えて行う肥料作りもスタート。

 7月17日にはミントの枝を土に植え、1メートル以上の背丈に大きくなったキュウリから実を収穫。ミントの枝は透明な容器の端に植えることで根が観察できるという。最後にキュウリやナス、ピーマンなどをクラッカーにのせたおやつ作りとハーブティーに挑戦。園児たちは切ったナスに塩を振ると水が出てくる様子や、松居さんが用意したハーブにお湯を入れて作るハーブティーから色が出てくる様子に、じっと目を凝らしていた。

 同志社大学法学部卒業後、電機メーカーに勤めていた松居さんは、病気で体調を壊したことから食について考えるようになった。「180度転換して」米国・ニュージーランド・イギリスでエディブルスクールヤードを通じた食育トレーニングなどを学ぶ。同園には、祖母が働いていた縁でプログラムができないかと話を持ち込んだところ、園も日常に「農業」を取り入れたいと考えていたことから理解を得られたという。

 「子どもたちは本当によく観察していて驚かされる。『なぜ』という問いを出すと、推理したり検証したり科学的にものを考える子もいて成長を感じる。少しずつでもこうした取り組みを多くの人を巻き込んで広げていきたい」と松居さんは意欲を見せる。

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