400年近くの歴史を持つ京都四條南座(京都市東山区四条大橋東詰)で現在、「夏休み特別舞台体験」が開催されている。
「南座歌舞伎ミュージアム」として春と秋に伝統のある舞台を公開している同館。夏季は1日7回体験会を行い、舞台機構の紹介を行っている。
スリッパに履き替えた参加者は、役者が「花(祝儀)」をもらうことからその名が付いたともいわれる「花道」を通って舞台へと移動。130ものちょうちんに囲まれた客席を見渡して役者気分を味わった。舞台転換に使われる約13メートルの「廻り舞台」の上に乗り、1回転させた。
役者が登場するための「迫(せ)り」も紹介。最大1.8メートル上に上がる迫りと、3.3メートル下がる迫りを体験した。下がる方の迫りは暗く、ひんやりとすることから「奈落」と呼ばれ、上がる方の迫りは、照明に近づくことから熱く、背景をつり下げるバトンも見える。
通常は見られない緞帳(どんちょう)の裏も紹介。これを上げる際には「チョンパ」と呼ばれる演出を体験。これは舞台と客席が暗転から照明が一気に付けることで観客の前に役者やセットが現れて見える華やかなもの。カメラなどの電源も落とした真っ暗な中に三味線の音が盛り上がっていき、最後に拍子木の「チョン」という音に合わせて照明がともると拍手が沸いた。終了かと思った直後に、夏の公演にちなんだサプライズゲストも登場し、「出た!」と参加者から声が上がった。
「テレビで歌舞伎は見ることがある」という東京から参加した山崎優和(7)さんと光優(みゆ・12)さんは「舞台がとても広く感じた。舞台が回ったり上下したりするのを体験したので、歌舞伎を見るときに見方が変わりそう」と話していた。
開催時間は10時30分、11時15分、12時、13時30分、14時15分、15時30分、16時15分から30分程度。料金は1,000円。前売り券はホームページで申し込める。当日券はチケット売り場のみ。定員60人。今月11日まで。