京都府立植物園(京都市左京区下鴨半木町、TEL 075-701-0141)で、アイザック・ニュートンの生家にあった母樹から接ぎ木で増殖された「ニュートンのリンゴ」が結実した。同園で結実が確認されたのは初めて。
「ニュートンのリンゴ」は、アイザック・ニュートンが万有引力の法則を発見した際の「リンゴの逸話」に登場するもので、フランスが起源の種ではないかといわれている。同園で昨年植栽し、今春初開花した。リンゴは自家不和合性という、めしべが自身の花粉では受精しない性質を持っているため、長野県から花粉を取り寄せ人工授粉したという。
7月31日朝までは4つ実っていたが、同日昼には落ちた形跡はないものの3つになっていた。「順調に育っていたのに。ひどいことをする人もいる」と同園技術課・樹木係長の肉戸裕行さんは肩を落とす。リンゴは冷涼な地域に向いている植物のため、京都のような暑い場所で育てるのは難しい。同園では「触らないで成長するのを見守ってほしい」と呼び掛ける。この種は食用には不向きだという。
同園、技術課技師の中井貞さんは「夏休みなので子どもたちの自由研究の題材などにしていただければうれしい。これからリンゴの木を増やし、将来的にはリンゴの試食会ができたら」と話す。
入園時間は7時~16時(閉園は17時)。入園料は、大人=200円、高校生=150円、中学生以下無料。