「京都・京町家ステイ・アートプロジェクト」が1月21日から、始まる。主催は、京町屋の一棟貸しサービスを手掛ける庵(京都市下京区富小路通高辻上ル筋屋町、TEL 075-352-0211)とアーティストで成る実行委員会。
アーティストが作品を京町家にしつらえることで町家の空間を作品にする同プロジェクト。21日~27日は市内4つの町家で町家巡りができるほか、28日からは宿泊専用にする。プロジェクトでは陶芸・美術家の近藤高弘さんの「万象の町家」(木屋町松原上ル)、映像作家の大西宏志さんの「影像の町家」(松原通麩屋町)、染織家の福本潮子さんの「藍の町家」(富小路通仏光寺下ル)、日本画家の畠中光享さんの手掛ける「品格の町家」(木屋町通仏光寺下ル)を公開する。
「4軒の町家はそれぞれに違う。長屋スタイルのコンパクトなものもあれば、商人たちでにぎわった宿、豆問屋だった大きな町家もある。それぞれ作品の特質に合わせて選んでいただいた」と同委員会事務局の本江伸子さん。映像作家の大西さんはソファから見える坪庭の築地塀に投影するほか、近藤さんは東向きの鴨川を臨む大きな窓のそばに氷のように透き通った作品を据えた。
2日以上の連泊の場合は、その町家を手掛けた作家との交流ができるプランも用意。作家が集めた器で茶懐石を囲んだり、作家自らが工房の案内をしたり、京都の街を回って作品を作り、最後は観賞会を行うなど、作家や創作についてより近くで知ることができるように工夫した。
「町家は暮らしの文化が息づく建物。ギャラリーやカフェなどに改装した利用も進んでいるが、実際に住まいとして使うことでその文化をより感じてもらえるはず。お酒を飲みながら、横になってくつろぎながら作品を鑑賞するなど、他ではできない体験をしてもらえたら」
作品展は11時~18時。入場料は一般1,500 円。宿泊は3月4日分まで受け付ける。