京都大学西部講堂で「関西クィア映画祭」-少数派を肯定する世界の作品上映

写真は「フィクションを生きる―イザベル・シュペングラーの実験映画」

写真は「フィクションを生きる―イザベル・シュペングラーの実験映画」

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 「関西クィア映画祭」が9月10日~12日、京都大学西部講堂(京都市左京区吉田泉殿町)で開催される。

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 「クィア(Queer)」は「変な」という意味の英語で、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)など性の領域で「ふつうではない」と考えられているあり方への蔑称(べっしょう)としても使われる。同映画祭ではその言葉をLGBTに限らず、さまざまな少数派を肯定し「ふつうではない生き方」をポジティブにとらえ直す意図で使っているという。

 今回の開催について、第1回の2005年から代表を務めるひびのまことさんは「幅が広がった」と話す。これまで大阪でのみ上映していたが、今年は京都でも開催することになり上映作品数が増えたことに加え、「これまで扱ってきたトランスジェンダーに関する映画に加えて、民族や人種といった複眼的な視点を持つ作品を上映することによって映画祭としての視点も広がるのでは」と話す。今回は、性の問題ではなく日本の民族差別を考えるための作品も上映する。

 「かつての日本は性に対して寛容で『個人的な趣味』として受け止められていたが、近代化によって性も制度化された」とひびのさん。現在のいわゆる「おかまキャラ」については、「良くもあり悪くもある。テレビでは『頑張っている人』『かわいそうな人』というフィルターを通さなければ『いないこと』になっている描き方が行われている」と指摘。「今回選んだ作品はフィルターを通さない『当事者』が、身近にあるコミュニティーの中で普通の人生を生きている姿が描かれている」と話す。

 チケットは、関西フリーパス(限定50枚)=1,2000円、京都パス=8,000円、3回券=4,000円、1回券=1,600円。

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