飲食事業や洋菓子の企画・製造・販売を手掛ける「インデンスタイル」(京都市中京区室町三条下ル)が昨年発売したロールケーキ「京黒ロール くろまる」(1,260円)が、全国百貨店などの催事販売で人気を集めている。
同商品は「京都の風光明媚(めいび)な景色のイメージを、京都の企業として何か生かせないか」という思いから、同社が菓子職人と炭焼き職人の智恵を借りて開発し、昨年6月に発売した。和歌山産の竹炭を使用し、「もちもちの生地」と練り込んだ竹炭パウダーによる「シャリッとした独特の食感」や、生地の黒とクリームの白のコントラストが特徴。
同7月からは全国百貨店などの催事で期間限定販売を開始し、東京都内のJR駅ナカ催事では連日行列ができ完売が続いた。同社の柳田雅紀さんは「JR駅ナカ催事では特に男性客が目立った。華やかでかわいらしいスイーツを購入するのは照れるが、『くろまる』はシンプルな見た目なので照れずに買うことができる男性が多いのでは」と話す。さらに年末から年始にかけての百貨店催事では「開店から閉店までの約11時間、1分間に1本を売り上げる販売ペースが連日続いた」(柳田さん)という。
今年3月には、東京・自由が丘に同商品の専門ショップ「『京黒』自由が丘店」(東京都目黒区)をオープン。柳田さんは「いわゆるスイーツ激戦区にやってきた新参者として、オープン以来多くのお客様に厳しい視線とともに来店いただいている」と話す。同商品の「シンプルな見た目」と「あっさりとした味わい」が客の持つ京都のイメージと合い、贈答用としての利用も多い。
今後も全国での催事販売が決まっており、京都ではジェイアール京都伊勢丹(下京区)で5月7日~19日・同30日~6月16日・7月15日~21日、京都市営地下鉄・京都駅(下京区)の中央1改札口催事場で6月2日~9日に期間限定販売を行う。
「今後は『くろまる』に限らず、より『見た目麗しく、食して美しい』商品を提供できるよう開発企画中」と柳田さん。