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京都で「外来種いけばな」企画 京都市とスタバの市民発エコプロジェクトが実現

真剣に花を生ける参加者

真剣に花を生ける参加者

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 京都大学吉田キャンパス(京都市左京区)で6月12日、「IKEBANA of Alien Species 外来種いけばな」ワークショップが行われた。主催は京都市とスターバックス社の共同プロジェクト「YES,WE DO KYOTO!」。実施は京都大学と池坊華道会。

参加者の作品

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 同プロジェクトでは公募参加者約100人が「京都らしいエコなライフスタイル」を実現する企画を考案。5つのアイデアが採用され、そのうちの一つ「外来種でいけばなをする」というアイデアから生まれた。

 当日は、旧演習林事務室ラウンジで同大学フィールド科学教育研究センター准教授の伊勢さんが外来種についてと、ワークショップのねらいを説明。「帰化植物(外来種)は人間の何らかの行為で入ってきた種で、イネやウメ、モウソウチクも元は在来種ではなかった。人間の都合で邪魔者扱いしていることを体感し、問題の本質を結論を急がずに考えてほしい」と呼び掛けた。

 参加者は実際に北白川試験地で植物を採集。外来種の判断は、同大学農学研究科修士2年の成田あゆさんが担当。ヒメジョオンやシロツメクサ、ドクダミなどの花や、いけばなでもよく使われるトクサ、コバンソウなどを採集。ほかにも、養蜂用に用いられるニセアカシアや秋の紅葉が美しく、街路樹としても植えられたナンキンハゼなどの木も用意された。

 持ち帰った植物を器に生けて作品に仕上げた。枯れ葉を使ったり、つるが絡まった様子をそのまま生けたりするなど「器の使い方も含めて皆さんとても上手に生けられている」と指導を担当した池坊の高林佑丞さんも驚いた様子だった。出来上がった作品は、撮影ブースでプロのカメラマンに撮影してもらい持ち帰った。

 娘の沙月ちゃん(3)と参加した則友法子さんは「子ども時代にもどったような気持ち。植物を花を愛でながら摘む時間が心地よかった。外来種のイメージも変わったし、人も含めた生き物のルーツをあらためて考えさせられた」と話していた。

 「庭の花や山で採った花材を加える人はいるが、すべてを野の花で、しかも外来種というテーマで生けるのは池坊でも例が無い」と発案から準備を進めてきた谷本梢さん。「自分で採集するだけに『花の命』を強く感じて生けられたのでは。季節を変えるとまた違った作品になるのでぜひ生けてほしい」とも。

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