京都のホテルでLGBT向け和装「婚礼」プラン1年 海外中心に発信継続

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 ホテルグランヴィア京都(下京区烏丸通塩小路下ル)でLGBT向けのウェディングプランを提供して今年3月で1年が経過した。

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 LGBTは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略。同ホテルは、世界最大規模のLGBT向け旅行団体IGLTA( International Gay & Lesbian Travel Association)に2006年に日本のホテルとして初めて加盟。業界団体向けのイベントに出展を行っている。

 式は、2010年から「宗教や性的指向に関係なく全てのカップルを受け入れる」をポリシーとする妙心寺塔頭(たっちゅう)・春光院で行う。同院の川上全龍副住職が本堂でお経を上げ、2人が誓いの言葉を交わす。宿泊と挙式がセットになったプランは、白無垢(むく)や羽織袴を用意。ジュニアスイートの3泊4日の宿泊と、伝統的な婚礼会席と朝食、衣装や婚礼、送迎などが2人分で縁起の良い77万7000円。宿泊日数を変えたり、友人を招待したりするなど追加の要望にも応じる(有料)。

 今年に入ってからの実績が2件、さらに2組の予約も入っている。「婚礼は2人の結婚を法的に認めるものではないが、2人の特別な日にしていただけるのでは」と同ホテル営業推進室担当室長の池内志帆さん。

 サービスの提供のためにスタッフのトレーニングなどの準備も行っている。専門の講師を招き、婚礼担当をはじめ、ホテル幹部や営業スタッフ、シェフに至るまで約60人がLGBTへの理解を深める。プランに合わせ書類も「新郎」「新婦」の項目や衣装の欄も、2人それぞれが全ての選択肢の中から選べるようなフォーマットに作り替えるなどしているという。

 「渋谷のパートナーシップ条例の制定や、日本のIGLTA加盟団体も増えるなど環境も変わりつつある。需要は必ずあるし、今後伸びていくマーケットだと感じている。これからもプランを継続することで、当ホテルがLGBTフレンドリーであることを発信していきたい」と池内さん。現在は海外向けの発信が中心だが、今後は日本語ウェブサイト作成も準備を進める予定という。

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