京都清宗根付館(京都市中京区壬生賀陽御所町、TEL 075-802-7000)で4月1日から、冬の一般公開「奥田浩堂展」が始まる。
壬生寺のはす向かいにある同館。江戸時代に武士でありながら帰農した壬生郷士神先(かんざき)家の住宅として約190年前に建てられた京都市では唯一現存する武家屋敷である。2007年から日本初の根付け専門美術館としてオープンし、年4回一般公開を行っている。
根付けは、江戸時代に印籠(いんろう)やたばこ入れなどを帯から下げる際に紛失や盗難を防ぐために使われた留め具。象牙や木、鹿の角、陶磁器、金属や漆などを使い細かな細工で動植物や江戸の風俗、妖怪など遊び心のある意匠が施されており、芸術としても評価されている。
今回は奥田浩堂さんの作品を集めた展示を行う。墨絵やトロンプ・ルイユ(だまし絵)をはじめとした分野で活動していた奥田さん。世界的な根付けコレクターのロバート・キンゼイさんと出会い、根付けの創作を始めた。今回は、鮮やかな色使いの「えんま大王」や、「三猿」ならぬ河伯(かはく・中国の神話で黄河の神でかっぱの由来ともいわれる)で「見ざる・聞かざる・言わざる」姿を彫った「河伯三態」などユーモラスな作品も出展する。
開館時間は10時~17時。入館料は、一般=1,200円、中・高生=600円。同月30日まで。