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「京都・東山 祈りの灯り」で義援金募る-宮城から観光中の男性も手伝い申し出

左が宮城県から京都に来ていた小林さん

左が宮城県から京都に来ていた小林さん

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 宮城から京都に観光で訪れていた男性が、「京都・東山 祈りの灯り」で運営スタッフとして活動している。

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 3月13日から行われていた「京都東山・花灯路」の内容と名称を15日から変更して行われている同イベント。東山の寺社のライトアップに合わせ行われていたあんどんをすべて消し、「被災地から見えるように」と竹に入れたろうそくのあかりで「祈」の文字を作る。被災地へのメッセージを短冊にして別のあんどんに貼り付け、このメッセージをスタッフがツイッターを使って発信する。

 このイベントを13日から手伝うのは宮城県角田市から訪れていた小林司さん。震災のあった11日は奈良で観光中だった。友人から「お前生きているか?」という電話で震災があったことを知る。テレビで被害を見た時は「頭が真っ白になった」と振り返る。幸い角田市は被害が小さく、家族などの無事も確認できた。しかし、宮城に帰ることができないため、「自分にできることはないか」と12日に清水寺で復興祈願を行った際、募金活動をしていた同イベントスタッフに出会い声を掛けたことがきっかけになった。

 小林さんの携帯電話には、家族や友人から被災地の様子を知らせるメールが届く。「物資が届かずスーパーや百貨店に強盗が入っている」「弱そうな人がリュックを背負っていると狙われる」「ガソリンを10リットル買うのに3時間かかり、けんかも起きている」などの被災地の窮状や「高齢者が弱っている」など不安を伝えるものが中心。

 「必要とされている物資はとにかく水。そして食料は何もせずに食べられるカロリーメイトのようなものが一番ありがたい。粉ミルクやおむつなど赤ちゃん用品も不足していると聞いた」と小林さん。「自分にできることは、こうして受け取ったメールの内容を伝えていくことだと思う」

 「募金活動を始めて、最初に募金してくれた外国の方に『頑張って』と言われ涙が出た。運営スタッフのみんなやいろいろな人に励ましてもらったり支えてもらったりしている。今は被災地の様子を伝えているが、現地に入れるようになれば炊き出しなどのボランティアにも参加したい」と話す。「1年後、必ず復興して花行灯のスタッフの皆さんに会いに戻ってきます」と力強い決意を見せる。

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