京都大学総合博物館(京都市左京区吉田本町、TEL 075-753-3272)で小惑星探査機「はやぶさ」帰還カプセル特別公開が2月2日から始まる。
はやぶさ(MUSES-C)は小惑星にタッチダウン、そのかけらを地球に持ち帰る技術を確立するために開発された探査機。はやぶさが調査したのは、地球と似た軌道を持つ小惑星の「ITOKAWA」(イトカワ)。2003年5月9日に打ち上げられた。途中、通信途絶などのトラブルが発生したが、昨年6月13日に地球に帰還。搭載カプセルをオーストラリアへ落下させ、その運用を終えた。
帰還カプセルの展示は昨年より全国を巡回し、京都では初の公開となる。はやぶさのカプセルを守っていた「ヒートシールド」やビーコンを発信するアンテナ、パラシュートなどが収められていた「インスツルメントモジュール」、JAXAによるはやぶさの紹介や、京都大学や京都のNPOなどのパネル展示を行う予定となっている。
はやぶさについて、大野照文館長は「綿密な軌道の計算や効率のよいイオンエンジンの採用など、制約が多い中でいかに省エネに飛ばすことを考えていて、とても日本的」と指摘する。「展示を通じて科学の面白さを感じてもらうのと、科学や技術の分野から多くの協力によってはやぶさは帰還できたことを知ってもらえたら」とも。
期間中、府教育委員会と京都大学の連携で府内の小中学生2,300人を同展に招待。3D映像を使ってはやぶさやイトカワまでの軌道などを説明した後、展示品を見学する予定。「はやぶさを見た子どもたちには宇宙でもっと面白いことをしたい、そんな気持ちを持ってもらえたら」と大野館長。
「地元の大学で探査機を宇宙に飛ばすような研究ができることを発信できれば。たくさんの人に夢を持ってもらいたい」と大野館長。2月6日には、衛星や探査機の軌道について研究し、はやぶさの計画検討を行った京都大学の山川宏博士や惑星科学を専門とする同大学の藤原顕博士の講演やパネルディスカッションを行う「京都『はやぶさ』シンポジウム」も開催する。小中学生や高校生を対象としたワークショップなども予定。
開館時間は9時30分~16時30分(5日は19時30分まで、入館は閉館30分前まで)。入館料は一般400円。観覧整理券を各日8時30分から同館入口で先着順に配布する。2月6日まで。