
今回展示される『踊獨稽古』(神戸大学人文科学図書館所蔵)
京都府亀岡市(市長:桂川孝裕)は、市制施行70周年と、本市出身の思想家・石田梅岩(いしだばいがん)の生誕340周年を記念し、企画展「石田梅岩 心学の成立と展開-現代に生きる共生の思想-」を令和7年10月4日から11月24日まで開催します。会場は、9月1日に開館した石田梅岩記念館です。
現代社会が直面する課題を解くヒントとして、石田梅岩が説いた思想の現代的意義を、貴重な直筆資料や多彩な関連イベントを通じてお伝えします。
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亀岡市出身の江戸時代の思想家、石田梅岩(1685-1744)
石田梅岩(1685-1744)は、現在の亀岡市東別院町に生まれた江戸時代中期の思想家です。商家の丁稚から身を起こし、誰もが実践できる分かりやすい言葉で学問を説き、身分を問わず多くの人々の心を捉えました。正直・倹約・勤勉といった彼の教えは「石門心学(せきもんしんがく)」として確立され、近江商人をはじめとする日本の商人道、近代日本の経済倫理の礎を築いたと評価されています。その思想は、現代のCSR(企業の社会的責任)やSDGsの理念にも通じるものとして、今を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます。
令和7年(2025年)は、亀岡市の市制施行70周年と石田梅岩生誕340年の記念すべき年です。亀岡市は全国に先駆けて「亀岡市プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例」を制定した環境先進都市であり、持続可能な社会の実現を目指しています。これは、「物を大切に使い、無駄をなくし、本当に必要なことにお金や資源を活かす」という大量生産・大量消費を見直す「倹約」の教えに通じるものです。また、梅岩が説いた「共生の思想」は、対立や分断が問題となる現代において、人との温かい絆や信頼を重んじる亀岡市の理念と深く結びついています。公正な取引や社会貢献を説く梅岩の教えは、企業の社会的責任(CSR)やSDGsの理念につながり、持続可能な社会を築く鍵を秘めていると言えます。

9月1日に亀岡市にオープンした石田梅岩記念館(亀岡市東別院町)
石田梅岩記念館は、石田梅岩の生誕地に建てられ、その生涯と思想を伝えるための施設です。
石田梅岩直筆の書画などの貴重な資料を収蔵・展示し、その思想を後世に伝えるための活動拠点となります。市民や観光客が気軽に立ち寄り、郷土の偉人について学べる新たな文化施設です。
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都鄙問答(個人蔵)

心学早染草(関西大学図書館所蔵)
本企画展では、石田梅岩が使用した机や椅子、見台、さらには兄平兵衛に宛てた直筆の手紙といった梅岩ゆかりの品々を展示。また、石田梅岩生家で発見された石田梅岩の肖像画、江戸で心学を広めた梅岩の弟子、中澤道二の肖像画も初公開いたします。
梅岩の主著『都鄙問答』をはじめ、善と悪の葛藤を描いた物語『心学早染草』、この悪玉の踊りの振り付けを紹介した『踊獨稽古』などを展示し、その思想の成立から全国への広がりまでを3章構成で分かりやすく紹介いたします。
「第1章 別院荘東懸村-石田梅岩の出生地-」
「第2章 石田梅岩の思想」
「第3章 石門心学の展開と講舎」
商家のみならず、武士や農民にも幅広く影響を与えた石田梅岩の思想と人柄を、貴重な品々から触れることができる絶好の機会です。

企画展をより深く楽しんでいただくため、専門家によるシンポジウムや学芸員による解説など、多彩なイベントを開催いたします。
〇記念シンポジウム
〇学芸員による展示解説
〇(一財)石田梅岩先生顕彰会主催 梅岩ゆかりの地を歩くツアー
石田梅岩顕彰会のHP
【本件に関するホームページ】
https://museums.city.kameoka.kyoto.jp/exhibition/er98auyb7bx/
【本件に関するお問い合わせ先】
京都府亀岡市 生涯学習部 文化芸術課 文化資料館
担当係長:飛鳥井(あすかい)
電話番号:
0771-22-0599
メールアドレス: bunka-siryoukan@city.kameoka.lg.jp