デジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するスパイスファクトリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:高木 広之介、以下 当社)は、システム開発・基盤構築・運用をワンストップで提供する総合システムインテグレーターである株式会社DTS(本社:東京都中央区、代表取締役社長 北村 友朗、以下 DTS)と、戦略的資本提携を締結しました。本提携により、DX領域における社会的価値を創出し、IT業界内外に対して、より高い社会的インパクトを生み出していきます。
本提携の背景
当社は創業以来、黒字経営を継続しながらDX領域での価値創出を進めてきました。近年、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進化により、技術革新のスピードが加速し、事業環境の変化がますます激しくなっています。こうした状況下で、デジタル技術を効果的に活用し、持続的な価値を生み出すためには、使いやすさ(UI/UX)とアジャイル開発の柔軟性が求められます。
当社は360°デジタル・インテグレーターとして、ユーザー中心のシステム開発を強みとし、クライアントの事業の方向性を整理しながら、UI/UXデザインやアジャイル開発を活かした支援を提供してきました。一方、DTSは大規模システム開発やインフラ構築に豊富な実績を持ち、複雑なプロジェクトにも対応できる総合力を有しています。本提携により、当社はお互いの強みを活かし、事業成長を加速していきます。
国内スタートアップにおけるスモールIPOの課題と当社の成長戦略
近年、日本ではIPO件数が増加しているものの、多くのスタートアップがスモールIPO(小規模な資金調達を目的とした新規株式公開)にとどまり、上場後の成長資金が不足するという課題に直面しています。年間約100社がIPOを行う中、約70%が新興市場への上場であり、その大半が時価総額100億円未満・資金調達額10億円未満にとどまっています。その結果、上場後も十分な成長資金を確保できず、事業拡大が停滞するケースが少なくありません。
また、日本ではM&Aによる資本調達・投資回収(Exit)が少なく、IPO依存の傾向が強いことも課題の一つです。米国ではスタートアップのM&AがExitの主要手段となっているのに対し、日本では自前主義の文化やPMI(M&A後の統合プロセス)のノウハウ不足が影響し、M&A比率は約24%にとどまっています。さらに、レイターステージの資金供給不足や未上場株式のセカンダリーマーケットの未整備も、成長フェーズのスタートアップが十分な資金を確保できない要因となっています。
こうした背景のもと、当社は短期的なIPOを目的とせず、持続可能な成長を実現するための資本戦略を重視しています。上場は成長戦略の一選択肢であり、資本政策を柔軟に考えながら、事業成長を最優先に進めていきます。
資本提携の概要
こうした国内スタートアップの資金調達の課題を踏まえ、当社は持続可能な成長を見据えた資本戦略の一環として、DTSとの資本提携を決定しました。本提携は、単なる資金調達ではなく、事業会社とのパートナーシップを通じた成長加速のための選択です。
本提携により、DTSは当社の株式33.5%を取得し、長期的な成長を支える資本提携を締結しました。引き続き、代表取締役および経営陣が株式の約2/3を保有し、経営の独立性を保ちながら、さらなる成長を推進してまいります。
事業シナジーを重視した初の資本提携を通じ、DTSと当社の強みを融合し、両社の企業価値をさらに向上させるとともに、持続可能な事業展開を実現してまいります。
本提携は、DTSが当社の成長戦略に共感し、長期的な視点で共に事業を発展させるためのものです。DTSの支援を得ることで、さらなる事業拡大を加速できることを心強く思います。
事業連携の具体的な取り組み
本提携により、以下の取り組みを推進していきます。
● UI/UX設計の最適化
ユーザー体験を重視した直感的で使いやすいシステムの設計を強化し、DTSが提供するシステム基盤と融合させることで、実用性と利便性を両立させたサービスデザインでDXソリューションを展開。
● アジャイル開発支援
従来のウォーターフォール型開発にとどまらず、スピーディなプロトタイピングと柔軟な開発手法を導入し、短期間での価値創出を可能にする開発プロセスを提供。DTSの大規模開発ノウハウとスパイスファクトリーのアジャイルマインドを融合し、迅速なDX推進を実現。
● DXコンサルティングの強化
業界ごとの課題を分析し、最適なデジタル戦略を策定。特に、スパイスファクトリーのデザイン思考を活かし、クライアントの事業目標に沿ったDXのロードマップを構築し、戦略から実装まで一気通貫でサポート。
● システム設計・基盤構築の一貫対応
DTSの大規模システム開発の知見とスパイスファクトリーのアジャイル開発力を掛け合わせ、企業規模や業種を問わず柔軟なシステムアーキテクチャの構築を支援。レガシーシステムのDX推進や、最新技術の導入・統合にも対応可能な体制を整備。
今後について
当社は、社会性と経済性を両立し、「1ピクセルずつ、世界をより良いものにする。」ことを目指しています。特に、無形資産への投資を積極的に行い、企業価値を高めながら、適切な成長資金を確保することが重要だと考えています。
本提携を通じて、DTSとの連携を活かし、DX支援の価値をさらに拡大することで、持続的な成長のための資本戦略を柔軟に選択できる環境を整えます。IPOはあくまで成長の選択肢の一つであり、事業の進捗や市場環境を見極めながら、最適なタイミングで判断してまいります。
また、企業としての成長を追求するだけでなく、常に社会の一員としての責任を意識し、社会に貢献できる選択を重ねてまいります。
両社代表取締役コメント
株式会社DTS 代表取締役社長 北村 友朗氏
この度、スパイスファクトリーと当社のパートナーシップを発表できること、大変うれしく思います。
本提携を通じて、スパイスファクトリーのデザイン思考を活かした上流設計の強みと、当社の業務知識や大規模システムの開発力を組み合わせることで顧客接点系のサービスの検討・立ちげ・運用まで、顧客体験価値(CX)の向上をトータルにサポートしてまいります。
これからも、当社は独自の強みを持つ魅力的なスタートアップ企業と積極的にパートナーシップを形成し、さらなる成長を支えるとともに、顧客への提案価値を高めていきます。
スパイスファクトリー株式会社 代表取締役CEO 高木 広之介
いつだって世界を変革するのは、名もなきクリエイターの「感情」と「創造力」であるー。この信念を胸に2016年3月、わずか3坪の雑居ビルでスパイスファクトリーが産声をあげて約9年。現在は2カ国で100名以上のメンバーが、名だたる大手企業や行政機関のクライアントの皆さまのDXパートナーとして「革新の触媒」のミッションを達成すべく日々奮闘しています。
一方で我が国は、2024年度版『IMD世界デジタル競争力ランキング』において総合31位と低迷し、『ビジネスの俊敏性(アジリティ)』は58位、『デジタル/技術的スキル』は最下位の67位という課題を抱えています。
私たちはこうした複雑性が極めて高く、かつ社会的価値の高い問題に対して、怯まず当事者意識をもって立ち向かう集団です。
こうした私たちの想いに共感いただいた、我が国有数のSIerであるDTS社との戦略的資本提携から始まる新たな未来に、私自身が一番ワクワクしています。
社会の経路依存を断ち切り、新たな時代を切り開くのがスタートアップ企業の使命。この使命を全うするために、小さく纏まらず、「アジアを代表するデジタルインテグレーター」という長期ビジョンを形にすべく邁進していく所存です。
不揃いでまだまだ未熟な私たちですが、これからは成熟した企業経営を心掛けながら、不揃いな私たちらしいやり方で1ピクセルずつ、世界をより良いものにしていきます。
株式会社DTS
DTSは、総合力を備えたトータルシステムインテグレーター(Total SIer)です。主に金融、情報通信、製造、公共、建築分野向けに、コンサルティングからシステム設計・開発、基盤構築・運用までをワンストップで提供します。
また、DTSグループは、システムに関わるさまざまな専門性を活かした付加価値の高いサービスを提供します。
https://www.dts.co.jp/
本社所在地:〒104-0032 東京都中央区八丁堀 2-23-1 エンパイヤビル
スパイスファクトリー株式会社
スパイスファクトリーは、DXを加速させるアジャイルマインドで企業や行政機関のデジタル変革を引き起こす"触媒(スパイス)"となるDX支援企業です。
これまでに、教育、医療、自治体、一次産業、物流、製造、エンタメなど様々な業界のDXに関わり、アジャイル開発のアプローチで迅速な価値創造を実現し、社会と顧客の課題解決に取り組み、事業の成長を支援してきました。
経営課題から現場の事業課題解決まで全方位で関わる360°デジタルインテグレーターとして、デジタル領域の課題に幅広く対応します。事業サービス構想の支援、システム開発、UI/UX、マーケティング支援など、一気通貫でサポートします。
同時に、従来の受託開発の枠組みを超え、ユーザー中心の設計を軸に顧客企業や行政機関と連携し、変化への対応力と俊敏性を高めながら、伴走して解決策を導き出します。
私たちのMissionは「革新の触媒」であり、Purposeは「1ピクセルずつ、世界をより良いものにする。」ことです。社会課題解決を追求し、新たなビジネスやイノベーション創出に貢献します。
会社名:スパイスファクトリー株式会社(Spice Factory Co.,Ltd)
代表:代表取締役CEO 高木 広之介
設立: 2016年3月
資本金:5,000万円
東京本社:東京都港区台場二丁目3番1号 トレードピアお台場 20階南
京都拠点:京都府京都市下京区鶏鉾町493 ムーンバットビル7F コネクト京都
福岡拠点:福岡県福岡市中央区大名2-6-11 Fukuoka Growth Next
事業内容:360°デジタル・インテグレーション事業
公式Webサイト :https://spice-factory.co.jp
公式MAGAZINE :https://spice-factory.co.jp/allspice/
Linkedin :https://www.linkedin.com/company/spice-factory
note :https://note.com/spice_factory/
Facebook :https://www.facebook.com/spicefactoryinc/
X :https://twitter.com/spicefactory310
ラジオ :https://open.spotify.com/show/3fMJ4IWtgPej5oGVTRW1kf