錦市場の酒屋・津之喜酒舗(京都市中京区錦市場富小路東入ル)は2月4日から、「月の桂 立春朝搾り」の販売を開始した。
「立春朝搾り」は、日本名門酒会が音頭をとり全国の賛同する酒蔵会社が、立春の朝に近郊の酒屋や得意先と一緒に夜通し搾った日本酒を瓶詰め、出荷作業を協力して行い、おはらいを受けてから販売するもので、春の到来をともに喜び合う。今年で11回目。
「月の桂」は酒どころとして知られる京都・伏見で1社、同催しに参加している増田徳兵衛商店(京都市伏見区)が醸す銘柄。同日の朝6時30分には、濃い霧に覆われる天候となったにもかかわらず50人もの参加者が訪れ、10人ほどのグループに分かれ各々の作業に汗を流した。
日本名門酒会本部から参加した黒川浩一さんは「日本酒が低迷する中多くの人に参加してもらえてうれしい」とあいさつ。出荷作業に毎年参加しているという酒蔵米を作った農家の山田豪男さんは「昨年は珍しく台風も少なく良い米が出来た。京都の乙訓(おとぐに)地方から発祥し西日本に広がった『京都朝日4号』は、このようなめでたい酒に相応しい」と話した。昨年も参加した居酒屋あんじ烏丸店の林さんは「3日ほどで入荷分は販売し終える」と酒の好評ぶりを話す。
出荷量は前年と比較しほぼ横ばいだが、国内より海外からの引き合いも多くなってきたという。増田徳兵衛商店の増田泉彦社長は「旬の酒をお客様に喜んでもらいたい」話す。津之喜酒舗の藤井輝男社長は「飲食店でもボジョレ・ヌーボーのように予約がとれる酒になってほしい」と抱負を語った。
価格は1,575円(720ミリリットル)。