設立5周年を迎える京都のコリアンサロン「めあり」は11月15日から、史上初の南北合作アニメ映画「シムチョン」(原題=「王后沈清」)を京都シネマ(京都市下京区烏丸通四条下ルCOCON烏丸3階、TEL 075-353-4723)で一般公開する。同作品が日本の一般映画館で上映されるのは初めて。
朝鮮語で「こだま」を意味する「めあり」は、韓国民団京都府本部と朝鮮総連京都府本部が京都地域で交流を重ね、文化的事業を実施することになり、京都市国際交流協会と協同で2003年5月に設立した。朝鮮半島の文化紹介、朝鮮半島と日本のかかわりの歴史についての相互理解、在日コリアンの歴史、現状、想いを理解することが国際交流を深めることの基本であるという共通の認識を育てることなどを目的として活動している。
同作品は朝鮮半島に伝わる民話「沈清伝」を原作としたもので、親孝行をテーマにした韓国らしい題材。ハリウッドで活躍しエミー賞を8回受賞した在米韓国人のネルソン・シン監督は「あまりに長く続いた分断の中でもわれわれはひとつの民族であったし、今もそうだということを子どもたちに、世界の人々に伝えたい」との願いを込めた。作品は2005年ソウル国際アニメフェスティバルの長編部門でグランプリを受賞している。
企画協力にあたり、京都シネマ関係者は「民話を土台にしているが『現代化』という難しい課題をクリアして、新世代と世界各国に支持と好感を得ている。ハリウッド的演出感覚と、韓国・朝鮮のアニメーション技術力が初めて結合された歴史的な作品」と話す。
初日の初回上演後、京都シネマ代表の神谷雅子さんと京都造形大学の相原信洋さんが「アニメーションの映像表現」をテーマに対談を予定している。
料金は、一般=1,300円(前売り800円)、高校生以下・65歳以上のシニア・身障者・留学生=1,000円(前売り500円)。上映は今月28日まで。