京都を中心に森林バイオマスの普及啓発と利用促進を目指した活動を展開する「薪く炭くKYOTO(しんくたんくきょうと)」(京都市下京区西木屋町通上ノ口上ル)は9月7日、「薪炭文化はっくつ隊員養成講座」を開催する。京都での開催は初めて。
同講座は、普段見ることがないが京都の身近な場所にある薪炭を生産していた森の見学や、オーガニック料理を提供する「cafe millet」での昼食などのプログラムを予定している。薪炭林でつくられた薪で焼いたパンや石窯コーヒーなどの食事を体験できる。
バイオマスといえば発電やバイオエタノールなどが世間で注目を集めているが、京都を見渡すとまだまだ薪や炭などを資源とする森林バイオマスがエネルギーとして使われており、それらは料理や芸能などの文化に欠かせない存在だという。同団体はこれまで京都府内で森林バイオマスがどのように使われているかを調査し、薪炭の生産者や、薪炭を使用している飲食店、銭湯などを掲載したマップ作りなどを行ってきた。
同団体の成田真澄さんは開催の経緯を「自分たちで作っていくだけでは広がらないため、多くの人に参加してもらい薪炭や森に関心を持ってもらいたかった」と話す。今後参加者は薪炭を使っている店を取材し、発信する方法のレクチャーを受け、マップ作りに協力してもらう予定だという。
同講座は「日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン」の協力で展開しており、10月11日に薪で作る豆腐店「入山豆腐店」の見学や茶道体験などの「日帰りツアー」(参加費3,000円)、11月1日・2日に京都府美山町で薪や炭作りを体験し、ゲストハウスで宿泊する「1泊2日コース」(4食付15,000円)のツアーも予定する。
薪炭を使わなくなったことで日本の森の多くは姿を変え、海外のマングローブ炭などを輸入することで海外の森にも影響を与えているという。成田さんは「参加者が森の現状や、意外に身近で使われている薪炭について気付く機会になれば」と話す。
開催時間は10時~16時。参加費は、大人=2,000円、小学生以下=1,000円(昼食代・交通費込み)。各講座とツアー共に定員になり次第、募集を終了する。